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松本の顔を両手で挟み込むと快感に解れた表情でお願いしてきた。 久也のお願い通り松本は抜かずに次の体位へ移行した。 「はぁ……っ」 抑えられなかった低い吐息が洩れる。 奥の奥まで打ちつければ滾る粘膜できつく抱擁される。 久也の腰を掴んでいた掌が汗で滑りかけ、掴み直すと、同じく汗ばむ肌がぶるっと震えた。 「……久也さん……」 しっとりとした双丘を両手で撫でれば根元近くまで呑み込んだ後孔がさらにきゅっと締まった。 噛み千切られそうな危うい感覚に眩暈を覚える。 なだらかな曲線を描く腰から臀部にかけて何度か愛撫を往復させると、久也は、喉奥で鳴くみたいに呻吟した。 「んん……んっ」 「久也さん……今夜は……」 下腹部に両手を差し込むと、引き寄せ、根元までずっぷりと肉の内側に沈める。 「ぁっっ」 久也は布団に突っ伏した。 支えられた腰だけを浮かした格好となる。 「一晩中、しよ……?」 松本は久也の背後で熱に浮かれたように小さく笑って、病的なまでに発熱した腰を振る。 「あぁ……んっ……ぁ」 激しい腰遣いに甘い悲鳴を上げ、ピストンに合わせて全身を揺らす久也を見下ろしていたら、猛烈に昂ぶった。 滑る亀頭を肉膜にぐちゅぐちゅ擦りつける。 尻たぶを左右に押し開いて、自分のペニスが久也の後孔を抉じ開けて浅く深く出入りするのを陶然と見下ろす。 もう誰かを羨ましがる必要なんて、ない。 この人はもう俺だけのもの。 松本は深奥を狙って傲慢気味に腰を荒々しく振り立てた。 肌寒い夜に音が鳴り渡る。 「あっっあっっ」 汗をちらすような容赦ない猛攻に久也は仰け反った。 唾液に濡れる唇をしどけなく何度も開いては閉じ、シーツをぎゅっと握り締め、喘ぐ。 不意に松本の動きが弱まると、閉ざしていた双眸をうっすら開け、外明かりを反射する壁をぼんやり目にした。 「ああ……とけそう……」 感嘆した松本は久也の背中に頬擦りした。 背筋にリップ音を立ててキスし、軽く、噛みつく。 「ん……っ」 「なか、熱くて……すごい……」 露にした舌尖で背骨に沿って舐め上げる。 ピストンを休め、ペニス全体を押し包む肉膜の温もりをじっくり味わう傍ら、うなじに吸いつく。 「あ、っだめだっ」 真下で身悶えた久也の首筋に松本は笑いかけた。 「……シャツの襟で見えないよ」 正面に両手を回し、大きく上下する胸を撫で、そして。 そのまま松本は久也を抱いて体を起こした。 自分の正面と久也の背中を密着させる。 「あ……ん」 自分の体重がかかって、硬く脈打つペニスがずん……と一段と深いところまで及び、久也は首を窄めた。 「……あつい」 睦言めいた一言がぽつんと零れ落ちる。 松本はまた声もなく笑って後ろから久也を抱きしめた。 シャンプーの芳香が香る髪に鼻先を押しつけて息を深く吸い込む。 「……久也さん、きもちいいね」 「ん……」 「ずっと熱くて……ずっといい……」 虚空に勃ち上がる久也のペニスに五指を寄り添わせる。 濡れ渡った先端をくちゅくちゅ擦り上げる。 「あ」 「あ……また、もっと締まった……」 「んっ」 「ここはずっと……勃ってるね」 充血した亀頭を掌の内側で締めつけてみる。 滑っていて、艶々していて、やらしい手触りに煽られる。 「しごいていい……?」 「だ、だめ……」 尿道の割れ目を親指でゆっくりなぞり、くりくりと小さな円を描いて、軽く押し潰せば。 指の腹がまた溢れた雫に浸かった。 「あぁ……だめ……いや、っ」 久也は身を捩じらせて背後にいる松本に視線を向けた。 すっかり欲情しきった眼でありながら、また、嫌々と首を横に振る。 「……いっちゃうの、嫌なの?」 聞き分けの悪い子供のように淫らな奉仕をやめないでいる松本に、久也は、切れ切れに言うのだ。 「千紘君と……一緒にいきたいから」 「……」 「一人で……先に……いきたくないんだ」 ああ、やばい。 どうにかなりそうだ。

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