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オマケ後日談4/5
「汚れちゃいましたね」
松本は中指で久也の濡れた肌をつぅ……となぞった。
サイドテーブルにあるティッシュは使わずに、頭を下ろすと。
自分の舌で白濁した滑りを器用に拭い取っていく。
「……こ、こら……」
「ティッシュ、もったいないでしょ。エコです」
上体を起こそうとした久也を掌でシーツの上に押し返し、松本は、胸元から腹へと舌尖を伝わらせていった。
ちゅっと、吸い取って、舌端で綺麗に舐め上げる。
下肢の茂みに散っていた分もそうした。
「や、やめなさい……そんなとこ」
恥ずかしそうに、少し怒ったように久也が口にする注意を松本は平然と聞き流す。
内腿もぺろりと舐って、そして。
熱源自体も浅く口に含んだ。
割れ目に溜まっていた白濁蜜を掬い取っては唇奥に運ぶ。
亀頭を満遍なく舐め回す。
「千紘、くん……っ」
射精したばかりで殊更敏感となっている熱源を緩やかに食まれて久也は甘い眩暈に襲われる。
突き放すつもりで伸ばした手で、松本の頭を、つい押さえつける。
松本は喉奥にこつんと当たった熱源の先を強めに吸い上げた。
「ひあ」
久也は短い悲鳴を上げる。
松本は唾液をふんだんに絡ませて吸い上げ続ける。
口の中で速やかに芯を取り戻していく久也と同様、彼にご奉仕しているだけで、松本のペニスも再び頭を擡げ始めていた。
「……久也さん、もっかい、いいですか?」
「……」
「今度はもうちょっと長めにしましょうね」
「う、うるさい」
顔を真っ赤にした久也に笑い、松本は、彼をうつ伏せにする。
その真上に覆いかぶさってスタンバイすると、何度かしごいて完全に隆起したペニスを、いくらか弛緩した後孔へぐちゅりと捩じ込む。
一回目と比べて挿入はスムーズに進んだ。
ベッドに両手を突いた松本は腰から下をぴたりと密着させ、リズミカルに腰だけを頻りに揺らめかせた。
「ふぁ……っあっあっ……んぅ……っ」
序盤から速めのペース、久也は枕に抱きついて零れ出る甲高い声音を柔らかな布地に吸収させる。
ピストンに合わせて波打つ全身はいつ見ても堪らない。
汗でじわりと湿る肩甲骨のラインや背筋も。
ペニスを奥まで呑み込んで揺れる双丘も。
「……こんな……ぱんぱん言わせて……久也さん、えろいですね……?」
「きっ君が鳴らしてるんだろうがっ……あぅ……んっ」
「……はぁ……きもちい…………」
汗ばむ首筋を舐め、かぷっと噛みつき、松本は奥を狙ってペニスを傲慢に打ちつけた。
「……っや……!」
ごりごりと深奥を抉られて久也は目尻に涙を溢れさせる。
「……ここ……きもちいい?」
「あっあっ」
「久也さんのなか、うねって、俺のペニスに絡みついてくるみたい……」
「あ……っち、ひろ、くん……っ」
「すっごく……いいです……」
久也の膝を緩く立たせると、角度を変えて今まで十分に摩擦の届いていなかった箇所を集中的に擦り上げてみた。
「ああ……! は……!」
「……久也さん、きもちいい?」
「あ……ん……いい……そこ……っ」
「ここ……?」
「ぁぁっっあっあっあああっ」
前立腺の少し奥をペニスで引っ掻かれる度に久也は熱源と口元を濡らした。
自ら股間に手を這わせると、我慢できずに、率先して自身を追い上げ始める。
「……俺を置いてかないでくださいね、久也さん……?」
自分とのセックスに夢中になる久也の背中に松本は口づけた。
溺れる彼に気づかれないよう、自分のものだという証を背中の至るところに、こっそり刻みつけた……。
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