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「梓乃くん……愛してる、愛してるよ」 「あっ……んぁっ……」  のしかかられてそうされていると、溺愛されているって感じがしてたまらない。しばらくそうして甘ったるい愛撫を受けていると、やがて智駿さんが切羽詰まったような顔で言ってくる。 「動く、ね」  ずるる、と智駿さんのものが引き抜かれていく。なんとも言えない喪失感に襲われて「んあぁ……」って俺が声を漏らしていると、また、ずぶぶって入ってくる。 「うぅんっ……」  智駿さんの腰が、俺のアソコに当たる。この、大きなドシンとした衝撃は、指とかバイブじゃわからない、セックスしたときだけの感覚。この感覚と同時に奥の方をごりっとされると俺の腰は勝手に跳ねる。  ああ、気持ちいい。チンコ挿れられるのって、すごく気持ちいい。 「あっ……」  また、引き抜かれて、ずぶっとされる。ゆっくり、ゆっくりそれはされていたけれど……少しずつそれは速度をあげていって。どすん、どすん、とひと突きひと突きを感じていると、じわじわと「智駿さんとひとつになっている」ことを実感してくる。 「あっ、んぁっ、あっ、あっ、」 「梓乃くん、」 「ちはやさっ……あっ、しあわせ、っ、」  幸せで幸せで。ぽろ、と涙が溢れてきた。涙はそのまま、ぽろぽろと流れてくる。「ちはやさん、ちはやさん、」「すき、すき、」そううわ言のように言いながら、俺は、 「あぅうっ……!」  一回、イった。  奥の方がヒクッヒクッてヒクついているのが自分でもわかる。ぎゅーっとなかが収縮していく感覚に耐えるように智駿さんをぎゅっと抱きつくと、智駿さんが頭をよしよしと撫でてくれた。 「あっ……はぁ、……ちはやさん……」 「大丈夫、梓乃くん?」 「だいじょうぶです……うごいて、ちはやさん……」  もう、俺は智駿さんとひとつになれた嬉しさで全身が敏感になっていた。だから、ほんのちょっとしたことで何回も何回もイクと思う。これからもっと智駿さんに突かれたらもしかしたら身体がおかしくなるんじゃないかって思うけれど、それでもエッチを続けたい。幸せ、ほんとうに幸せだから。 「ちょっと、激しくするよ」 「はい……」  智駿さんが体を起こす。そして俺の両脇に手をついて、見下ろしてきた。下から見上げる智駿さんがかっこよくて、アソコがヒクヒクいってる。いつもよりも激しくて余裕のない智駿さん……どうしようもなくかっこいい。 「んっ……あぁあっ……!」  ずるっとそれを抜かれて、そしてドスン、と突かれる。さっきよりもずっとずっと、勢いよく。ドスン、ドスン、俺の全身を揺さぶるように強く強く突き上げられれば、劈くような快楽が体内を走り抜けた。 「あっ、あぁっ、」 「ごめんね、加減、きかないかも」 「あっ……! そこ、だめっ……!」 「ここ、そっか、ここだね」 「あぁあ!」  智駿さんのおおきなそれが、俺のイイところをゴリっとこすり上げる。こすりあげて、そして奥を突く。その繰り返し。肉のぶつかりあう、パンッ、パンッ、て音がどんどん大きくなっていく。 「あっ、あっ!」  ベッドが激しく軋んだ。セックスって、こんなに激しいんだ……受け身でするセックスに、初めてそれを知った。全身に衝撃がきて、下から勢いよく這い上がってくる快楽。しがみつくところを求めて虚空を掻いた手がたどり着いたのは、枕。ぐしゃっと枕を掴んで、凄まじい快楽に耐えて、ガクンガクンと震えながら、俺は何度もイク。 「あっ、やっ、ちはやさっ……ぬいてっ、……だめっ……!」  このまま連続でイキまくっておかしくなりたい……そう思っていたら、妙な感覚がチンコにはしった。なにかが、でる。射精しちゃう?そう思ったけれどこれは何かがちがくて…… 「とめられるわけ、ない、でしょ……!」 「んぁあっ!」  漏れちゃう……そう思って俺は、慌てた。ガツガツ、ズドンズドンと奥を突かれまくってほんとうに、ほんとうに気持ちいいけれど……智駿さんの前でおもらしなんて、絶対に、嫌だ。 「だめっ! だめっ! あっ! あっ!」 「とめない、よ」 「あんっ!」  やばいやばいやばいやばい……! このままだとやばい、そう思うのに、腰が砕けてしまって逃げることもできない。全身を支配する快楽が「我慢」する機能を壊しているから、さらにやばい。  ぱんぱんになったチンコが俺のおなかの上でぺちんぺちんと揺れている。それがまた刺激になって、そして智駿さんのものが俺の内側からチンコを刺激してくるようにぐりっとしてきて、もう、もう……おれ、 「おねがいっ、ちはやさん、だめっ……あっ、でちゃう……!」 「いいよ、だしちゃって」 「ちがっ……あっ……でちゃう……でちゃ……あっ……あーっ……!」  ぷしゃっ、俺のチンコからはじけたように水のようなものが飛び出した。ああ、もうだめ……俺は諦めて、恐る恐るそれが出ている自分のチンコを見下ろしたけれど……でてきている液体は、透明だ。  あれ、この液体……なに? 「……でちゃうって……梓乃くん、潮吹いちゃったの?」 「……潮?」  さすがに智駿さんも驚いたようで、動きをとめた。ちょろっ、ちょろろっ、ってでてきている俺のチンコをまじまじとみて、智駿さんがふっと笑う。 「……ふうん、梓乃くん、潮吹きできるんだ」 「えっ、潮吹きって、えっ……あっ!」  潮吹きって……女の子がするものじゃないの? しかも、それって都市伝説だと思ってた――俺が智駿さんの言葉にびっくりしていると、智駿さんはまた、ドスン、と突き上げてきた。突かれると、また……ぷしゃって、それ……潮がでてくる。 「やっ……ちはやさ……! あぁんっ!」 「すっごく、興奮する、梓乃くん」 「あぁっ! やぁっ! だめぇっ!」  じょぼっ、じょぼぼっ、て俺のチンコから潮吹き。下腹部はほんとうにびっしょびしょになっていて、ピストンの音がパチュパチュと水っぽいものに変わっていく。 「んぁっ! あぁっ!」  ぐちゅっ、ぐちゅっ、ていやらしい音に包まれながら俺は智駿さんに突かれまくった。腰がびくん、びっくん、て跳ねて、ぴゅっぴゅっ、て潮がどんどんでてくる。もう、自分の体じゃないみたい、こんなにイキまくったら、俺、おかしくなっちゃう……! 「そろそろ、僕もでそう、」 「ちはやさん……!」 「前みたいに、かけていい?」 「……っ、なかに、だして……ください……!」 「……え?」  俺もそろそろ限界なころ、智駿さんにもそれは訪れた。俺の言葉に、智駿さんは少し驚いたみたいだけれど…… 「ちはやさん……、なかだし、して、……!」 「梓乃くん、……なかに、出すよ」 「あーっ……!」  おねだりしたら、智駿さんの目の色が変わった。  智駿さんは俺の太ももをがっしりと掴んで、思い切り腰を打ち付けてくる。ドスンッ、ドスンッ、て俺の奥を思い切りついてきて、俺はもうガクガクだった。全身から吹き出る汗と、まだまだでてくる潮でぐっしょぐしょになって、俺はイキまくって…… 「梓乃くん……!」 「ちはや、さん……!」  智駿さんが俺のなかに出した、それと同時に。俺はまた、ぶしゃーって潮を吹いて、イった。  智駿さんのものが俺のなかでびくびくと震えているのを感じる。智駿さんのものが震えるたびに、俺の身体もピクンッ、と震えた。  俺はもう動けなくて、ぐったりと横たわることしかできなくて……はーはーと息をしていると、智駿さんが覆いかぶさってくる。 「梓乃くん……大好き。可愛かったよ」 「ちはや、さん……」  キスをされて……安心して、全身の力が抜けると同時に、視界がぐーっと狭まって、真っ暗になっていた。

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