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 ヒク、ヒク、と穴が疼く。智駿さんがみているなかで、カメラを向けられているなかで、自分で穴を慣らすなんて……恥かしい。でも、智駿さんの言うことをきかないと精液注いでもらえない。欲しくて欲しくて……俺は意を決して指を穴のなかに挿れてみる。 「あぅ……」  つぷ、と指ははいっていった。すっごくなか、柔らかくて熱い。俺のなかってこんな風だったっけ、って思ったけれど……今は一人でオナニーしているときとは違う。すでに一回中出しされたあとの、女の子にされたお尻だ。指一本をこんなにきゅうきゅう締め付けて、それでも抵抗なく飲み込んで……すごくいやらしい穴だ。中にある精液が指に絡んでぬるぬるもするし、ほんとうに俺のお尻、女の子みたい。 「ほら、もっと。自分の身体可愛がって」 「んん……」  すごく恥ずかしい。智駿さんの、ましてやカメラもある前でのオナニーはすごく恥ずかしい。でも、いつもの一人エッチよりもずっと気持ちよくて、もっと激しく指を動かしたくなる。    思わず、指を揺らしてしまう。つぷ、つぷ、と抜き差しをしていやらしい音をたてる。気付けば乳首も触り出してしまって……ほんとうに、一人エッチを始めてしまった。恥ずかしい、ほんとうに恥ずかしい。けれど、興奮する。こんな風に智駿さんの前で、カメラの前でオナニーすることを強制されるのが、たまらなかった。 「あっ……あっ……」 「いつもこうして一人でしているの?」 「ち、ちが……」 「ほんとうかな?」  むしろいつもよりも控え目なオナニーです、とはまさか言えない。いつもは智駿さんのことを考えながらディルドでズボズボしていて激しくお尻をいじめているけれど、智駿さんにお尻を使ったオナニーしてます、とは言えない。だから、今こうしてお尻のオナニーをみられるのは……ほんとうに、ほんとうに恥ずかしい。 「あっ……あっ……」  乳首を、こりこり。穴に二本の指を挿れてぷちゅぷちゅと掻き回す。その間にもカメラはなっていて……智駿さん、こんな変態オナニーしているところをカメラで撮ってくれているんだって嬉しくなった。乳首までいじっちゃう、もはや女の子みたいなオナニーしても引かないんだ、って。 「あっ、ちはや、さっ……」  もっと見て欲しくなって、指の速度をあげた。乳首も、ぎゅっと引っ張り上げてこりこりして、激しく刺激した。脚を大きくひらいて、痕びっしりの太ももをカメラにさらけ出して。はやく智駿さんのものぶちこまれたい……そう願いながら、必死にオナニーする。 「あっ、い、イク……!」 「可愛い。梓乃くん。一人エッチしてる梓乃くん、すごく可愛いよ」 「あっ、あっ……! いく、いく、」 「イクところみてるからね、梓乃くん。ほら、イッて」 「あーっ……!」  大きく脚を開いて仰け反って、俺はあっさりとイッた。いつもの一人エッチよりも早くイッたと思う。みられながらするのが、すごくよかった。俺がイッてビクンビクンしているあいだにも、やっぱり智駿さんはシャッターをならしている。しばらく智駿さんはそうしてイッた余韻に浸る俺の身体を撮っていたけれど、最後に顔を撮った。 「梓乃くんのイッた顔好きなんだよね。ほんとうに可愛いから」  智駿さんはにこっと笑って、ようやくスマホを置く。そしてじっと俺のイッた顔とか痕だらけの身体とかを見つめて、満足したような顔をした。俺に覆いかぶさってきて、キスをしてきて、頭を撫でてくる。 「梓乃くん。次、最後のオシオキね」 「さいご……」 「僕が満足するまで、抱き潰すから、がんばってね」  まだオナニーでイッたばかりで火照る身体を撫でられる。ぴく、と俺が震えると、智駿さんは俺の身体を反転させてきた。そして、うつ伏せになった俺の腰を掴んでぐっと持ち上げる。 「僕はね、正常位が好きなんだけど……梓乃くんをみてるとバックもいいかなって」 「……?」 「梓乃くん、すごく背中が綺麗だから、喘ぐ梓乃くんの後ろ姿をみているとゾクゾクしてくるの」 「……あっ、」  智駿さんが俺の背中に口付けを落としてくる。ゾワゾワと快楽が背面を駆け抜けて俺がシーツを掴むと、その上から智駿さんが手のひらを重ねてきた。腰を突き出す格好をしていると、お尻の穴から智駿さんの精液がこぼれ落ちてきて、早くまた挿れて欲しいって思ってしまう。「ん……あ……」なんて智駿さんが俺の背中にキスをしてきてリップ音をたてられるたびに喘いでしまって、俺がそんなふうにして腰をもじもじとさせていたからか、智駿さんがくすくすと笑った。 「明日、学校は?」 「……午後から……」 「じゃあガンガン突いても大丈夫だね」 「あっ……」  ず……、と智駿さんのものがなかにはいってきた。ぐりぐりとねじこんでくるような智駿さんの挿れ方が、好き。ぐーっと熱が這い上がってきて息が詰まって、気持ちよくてたまらず仰け反ってしまう、この感覚がとにかく好き。 「あーっ……」  奥の方をぐりぐりとされて、びりびりとした快感が身体を突き抜けた。内側から吹き出すような熱に、俺の体温はどんどん上昇していく。毛穴という毛穴から汗が吹き出てくる。背筋をつうっと汗がつたって、それをじっとりと智駿さんに舐められて。熱っぽい智駿さんの愛撫が俺をじくじくと責め立てる。 「はぁっ……あーっ……イクー……」 「そうだね、イこうか」 「あー……」  腰をぐいぐいと押し付けられてひたすらに奥をぐりぐりされて……もうだめ、そう思った時、ずるるっとソレを引きぬかれた。そして、 「うぁあっ……!」  ずどん、と勢い良く突かれる。勢い良く、ひと突き。強烈なソレで、俺はびくんびくんと震えながらイッてしまった。  智駿さんはそしてまた、奥をぐりぐり。俺の腰を掴んで強く強くソレを押し込んできて……じっくりと奥を責めて、責めて、責めて……俺がイカセてって思った時にずるっと抜いてずどんとまた突いてくる。 「あぁっ……あーっ……!」  ひとつひとつの動作を、ゆっくり、強く。深いところをぐっと責められて、一回突かれるたびに奥の方が痙攣した。一回の「イク」がすごく深くて、満足感がすごくて。ぎゅっと後ろから抱きしめられながらそうやってじっくりと責められると、幸福感がすさまじい。でも、そうやって何度も何度もイかされると、意識が飛びそうになる。頭のなかがさーっと真っ白になっていって……でも、思い切り奥を突かれて身体を揺すられるから、引き戻されてしまう。 「はーっ……はーっ……」 「かわいい、梓乃くん」 「あーっ……」  上半身は、ぐったり。イッて身体はこわばっているのに力は入らなくて、抵抗できない。そんな身体を、智駿さんはがっちりと抱きしめて責めてくる。抽挿のスピードは遅いから、智駿さんにとっては激しい刺激にはなっていないと思う。だから、智駿さんはわりと余裕で、俺がイッているのをみて楽しんでいる。 「前みたいに気を失わないように、ゆっくりしてあげているからね」 「だめーっ……あーっ……」  いっそ、気を失ってしまったほうが楽かもしれない。何度も何度もイッていると、苦しくなってくる。息はあがってきてろくに呼吸できないし、身体は熱くて汗だらだらだし。それでもこうされて幸せだって思えるのは、俺がとにかく智駿さんのことが好きだから。こうして全身で触れ合ってひとつになって、一番それを感じられるのは、エッチをしているとき。 「あっ……あぁっ……」  ゆっくり、ゆっくり。何度もイカされて意識朦朧とし始めて。そうしたころにやっと、智駿さんの腰の動きが早くなってきた。それでもひと突きが強く深いことには変わりなくて、俺の腰はすっかり砕けてしまっている。ズンズンと突かれまくってチンコからは大量の何がなんだかわからない液体がでてきて下半身はびしょびしょ。 「あっ、あぅっ、んっ、」 「梓乃くん。梓乃くんは僕のものだからね」 「あっ、ちはや、さっ……あっ、あっ」  名前を呼ばれて無意識に答えるように、智駿さんの名前を呼ぶ。もう、ほんとうに何回もイッてしまっていて、まともな思考能力はなかった。縋り付くように、何度も智駿さんの名前を呼ぶ。 「梓乃くん」 「ち、はや……さ……すきっ……すき、……あっ……」 「梓乃くん……」  ぐりっ、と強くそれをねじこまれた。そして、智駿さんが俺のなかに精液を吐き出す。中出しされた……それを感じ取った瞬間に、俺の身体はぶるぶると震え出して、チンコからはどばーっと潮のようなものがあふれてきた。 「中出しするときが、梓乃くんのなか一番締まって気持ちいい」 「ん……」 「中出し好きなんだね。かわいい」  智駿さんのものから、精液がいっぱい注がれる。お腹のなかがぽかぽかしてきた、って感じ取れば、安心してきた。イッた気だるさとなかの暖かさで、ポカポカしてきて気持ちいい。 「ん、……ちはや、さん……」  ぼーっとしながら智駿さんの名前をよんでみれば……智駿さんが俺の顔を掴んで振り向かされる。そして、キスをされた。 「んん……」  ああ、ほんとうに幸せ。全身で智駿さんと繋がっている。  ふわっと視界が暗くなってくる。もっと智駿さんとのキスを堪能したいのに……そう思ったけれど、やっぱり俺の意識は飛んでしまった。

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