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「すごい、柔らかい。溶けちゃいそう」
「んっ……んっ……」
チンコからとろとろと溢れてくる汁で、俺の股間はびちょびちょ。もうこうなるとわかっていたからシーツの上にはタオルが敷いてあるけれど、そのタオルもじっとりと湿ってきている。もうに濡れすぎて、本当に溶けているみたいだ。
何度も何度も抜き差しをして、俺がとろとろになってくると。智駿さんは二本の指をぐぷっと奥まで突っ込んできた。ああ、これ、俺のことイかせまくるんだ、と思って俺はうっすらと瞼を開ける。そうすれば至近距離で俺の顔を覗き込んでいた智駿さんと目がぱちりと合った。
「あっ……ちはや、さ……」
「梓乃くん」
智駿さんが俺の唇をぺろりと舐める。でも、キスはしてこない。俺がキスをして欲しくて唇をうっすらと開けると、その隙間に舌を滑り込ませてきて、舌だけをまたぺろりと舐める。智駿さんはやはり俺の顔をみていたいらしい。
指は根元まではいって、智駿さんの手のひらがぴたりと俺のアソコにくっついた。そうすると、智駿さんが指全体で俺のなかを刺激してくる。前立腺を責めるようにして、ゆっさゆっさと手を揺らしてくる。
「あっ……あっ、イッ、いくっ……」
「いっぱいイッていいよ、可愛い」
「いくっ……いくっ……」
息のかかる距離で、智駿さんは俺のイキ顔をみつめていた。智駿さんが俺をイかせようとするがままに俺はイッて、腰を浮かせながらビクンビクンとイッてしまう。俺の腰がガクガクとしている最中も智駿さんはグイグイと刺激してくるから、俺はイキっぱなしだった。チンコからとろーっとところてんをしながら、腰をビクッビクッとさせてイキ続ける。
「あっ、……あふっ、あっ、イッ……あっ、いくっ……」
「うん、すごくイッてるね、可愛いよ」
「いくっ……あっ……ああ……」
それはもう、イキにイキまくって。自分の顔がどうなっていたのかはわからないけれど、とりあえずだらしなくとろとろとした顔になっていたと思う。片方の手で智駿さんは俺の髪を撫でながら、満足そうににこにこと笑ってずっと俺の顔をみていた。
「あっ、……あー……」
「今日はどんな風にして欲しい?」
「あっ……ちはやさ……を……いっぱい、……かんじたい……」
「そっか」
智駿さんの手の動きが激しくなってくる。ぱちゅっ、ぱちゅっ、と音をたてながら激しく指を抜き差ししてきた。俺はもうひいひい言いながら蕩けているのに、智駿さんは悠長になにやら考え込んでいる。あらかた次はどうしようかな、って考えているのだろう。
「あっ……あっ……」
声がどんどん上擦っていって、頭が真っ白になってゆく。のんびりとした様子の智駿さんに抱かれて、俺だけがとろとろ。はやく智駿さんも俺をいっぱい求めて、って思っていると、智駿さんの指がにゅぷんっと引き抜かれる。
「ふぁあん……」
「ん、梓乃くん。こっち向こうか」
くったりとした俺に、智駿さんが優しく声をかけてくる。俺がふらふらと振り向けば、智駿さんが手を俺の脇の下に差し込んできて、ぐっと俺の身体を持ち上げた。
「はい、梓乃くん。このまま挿れるよ」
「あ……」
智駿さんが座った状態で、そこに向かい合う俺。対面座位ってやつかな。初めての体位に俺はどきどきして、なかなか動けなかった。その間にも内ももをエッチな汁がとろーっと伝ってきて、お尻の穴がヒクつく。
「んっ……」
智駿さんの肩に手を添えて、そしてゆっくりゆっくりと腰を下ろしてゆく。智駿さんのものが俺のアソコに近づいてゆくごとに熱のようなものを感じて、なかのヒクつきが激しくなってゆく。欲しくて、欲しくて、でもドキドキして。やっと智駿さんのものの先端が俺の穴にぴとっとくっつけば、ゾクゾクッと電流がそこから脳天を突き抜けた。
「んぁっ……!」
触れただけで、俺は仰け反ってイッた。このまま、挿れていくなんて……そんなことしたら。できない、そう訴えるように智駿さんを見つめれば、智駿さんはふっと笑って俺を見上げてきた。目線は、俺の方が上なのに。智駿さんのサディスティックな瞳が、俺を支配する。挿れているのは俺だけど、主導権は完全に智駿さん。俺は、智駿さんに逆らえない。
「ほら、梓乃くん。固まってないで、奥まで挿れて」
「……はいっ、」
ガクガクと震える脚で腰を支えて、智駿さんのものをなかに挿れてゆく。みち、とそれが俺のなかを押し広げていく感覚に俺のお尻はきゅうんっていって、凄まじい快楽が襲ってきて怖かったけれど、そのまま腰を落としていった。ず、ず、とゆっくりそれは、俺のなかにはいりこんでくる。
「あ……あ……」
ぴくん、ぴくんっ、と全身が震える。乳首はびんびんに勃って、チンコもピクピクとしていて。全身で感じてしまってヤバイってわかっているのに、智駿さんの視線に催促されるように、俺の腰はどんどん下がってゆく。
奥に、奥に。あともう少しで最後まではいる……ほっと、俺が安心したときだ。
「んあぁっ……!?」
ズンッ、と強烈な刺激が一気に這い上がってきた。智駿さんが、突き上げてきたのだ。自分で最後まで挿れるものだと思い込んでいた俺は、不意の突き上げでイッてしまった。
「ごめんね、うっかり」
「ち、はやさっ……! あっ! あっ!」
智駿さんがガシ、と俺の腰を掴んで、連続して突き上げ始める。身体がガクンと持ち上げられて、そしてどすんと落ちればその瞬間に奥を思い切り刺激される。この体位は、自分の体重のせいでいつもよりも深く強く智駿さんのものがはいりこんできて、ものすごく気持ちいい。でも……こんなふうに何度も何度も突き上げられると、意識が飛びそうになってしまう。
「あっ! あっ! やっ!」
どすっ、どすっ、と激しく突かれて、俺は半泣きで声をあげることしかできなかった。突き上げられるたびに俺のチンコはぴゅくっと射精してしまっている。智駿さんはそんな追い詰められている俺をみて、微笑みながらさらに俺を揺さぶる速度をあげていった。
「だめっ! ダメッ、あっ! やっ! あっ、あっ!」
「んー、まだイケそうじゃない?」
「むりっ、しんじゃうっ、イクッ、イクッ、」
「はは、仕方ないなあ」
あんまりにも俺が懇願するからか、ようやく智駿さんは動きを止めた。俺はぐったりとしてしまって、倒れこむように智駿さんに抱きつく。
アソコが、じんじんと熱い。繋がったまま、俺ははーはーと息を吐きながら智駿さんの首元に顔を埋める。頭がぼーっとして、こうしていると酷く気持ちいい。
「あはは、ごめんね、いじめちゃって」
「んっ……」
智駿さんが俺の頭にするりと手を添えてきた。俺はされるがままになって……ゆっくり、智駿さんにキスをする。
「んん……」
イッた余韻でふわふわとしながら、繋がったままキス。最高に気持ちいい。脚を智駿さんの腰に回してしがみついて、全身を密着させる。ああ、この体位すごくいい。密着度が、ほんとうにすごい。
「あ、ふ……」
とんとん、って腰を叩かれて、俺はゆっくりと腰を揺らし始めた。前後に、ゆるやかに。
「ん……ん……」
くちゅ、くちゅ、と音が響く。俺は自分のイイところに智駿さんのものをあてるようにしながら腰を振って、キスに夢中になった。キスをしながらだと、幸せな気分になって俺は静かに何回もイッていた。ビクンッ! 、ってなかを痙攣させながらも、それでも腰の動きはやめない。ビクッ、ビクビクッ、ってどんどんイキ方は激しくなっていって、次第に腰の動きがゆるくなっていってしまう。絡めた舌も動かせなくて、だらりと伸ばしたまま。そうしていれば……今度は智駿さんが腰を動かし出してくれた。さっきよりも優しく、ゆっくり。
「んっ……んんっ……」
はあ、はあ、ってキスの合間に息が溢れてゆく。気持ちいい、ほんとうに気持ちいいっ……イッてもイッてもどんどん欲しくなって、俺は再び自分で腰を揺らし始めた。ほんとうに、何回イッてるんだろうってくらい俺はイッていて、それでも腰を振るのをやめられない。それどころか、どんどん動きは早くなっていってしまう。ギシ、ギシ、とベッドが軋み出す。
「あっ、ふっ、……ちは、やさん……」
「梓乃くん……もっと名前呼んで」
「ちはやさん……ちはやさんっ……」
無我夢中で、俺は智駿さんを求めた。そして智駿さんも俺を求めてきた。快楽を貪る、腰を振るなんて行為をこんなに必死にやって、それなのにそれはもう純愛をしているような心地で。お互いの名前を呼び合えばそこにあるのは甘ったるい響きで。
お互いが果てても、しばらく繋がったままキスをしていた。俺は一回イクとずっとイキっぱなしだから、智駿さんがイッたあともずっとビクビクとイキ続けていたけれど。イキながら、ずっとキスをしていた。
「ちはやさん……」
それから、押し倒されて今度は完全に智駿さん主導でまたシた。智駿さんが満足するまで全身を愛撫されて、じっとりと愛されて、俺はもっととろとろになってたと思う。これからしばらく会えない分を、これでもかというくらいにお互いに求め合っていた。
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