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少しだけローションを手にとって、そのままお尻に持っていく。智駿さんが俺のイク時の声がわかるって聞いて、もっと声を聞いていて欲しいって思ったのだ。本当に俺が、智駿さんの思うがままの身体になっているってことを、智駿さんと自分自身に教えたかった。
つぷ、と指がなかにはいっていく。そして、根元まで挿れてゆっくりと掻き回す。久々に自分のなかに指を挿れたけれど……締め付けとヒクつきがすごかった。随分と調教されたなあって、感慨深くなる。
「あっ……」
「音もっとたてられる?」
「はい……」
スマホをお尻に近付けて、そして指の抜き差しを激しくしてみた。布団のなかでくっちゅくっちゅといやらしい音が響き出して、俺自身興奮してしまう。腰をゆらゆらと揺らしながら、智駿さんに聞いてもらえるようにどんどん音を激しくしていった。
「んっ……んっ……」
ぐちゅぐちゅとなかをいじくりまわしていれば、触ると気持ちいいころを発見する。ああ、ここが俺のイイところだ、ってわかれば、俺はそこを重点的に責めてみた。そうすればふわふわと下腹部が熱くなっていって、下半身が収縮しだす。腰がどんどん浮き上がっていって、また、あっさりと絶頂がみえてきた。
「……ッ、イクッ……あっ……」
手で口を押さえながらも、声を出してしまう。ビクビクッ、て身体が小さく震えて頭の中が真っ白になる。何度経験しても、お尻でイクのは気持ちいい。智駿さんにイかせてもらうのと違うのは、一人でイクと余裕があって、ふわふわとした気持ち良さを堪能できること。息が落ち着くまで目を閉じて、スマホを耳に当てる。
「ちはやさん……ちゃんと、きいててくれた?」
「うん……すごかったね」
「ちはやさん……つぎ、おもちゃ使うから、また、聞いててくださいね」
智駿さんの声を聞いていると、イったばかりのお尻の穴がきゅーっと締まる。気持ちいいな、ってぽーっとしながら手を伸ばして、枕元のバイブを掴んだ。
「は……」
スイッチをいれる。そうすると、ブーンとモーター音がなり始めた。布団を被ればそのモーター音は卑猥に響いてゾクゾクとしてくる。目の前で、可愛らしい色をしたゴツいバイブが、うねうねとうねりながら回転をしている。
「んっ……」
バイブの先っぽを胸にあてる。乳首のまわりをくるくると撫でていくと、乳首が触って欲しそうにふるふると震えた。自分で自分を焦らして、そして一気にぐっと乳首を潰すように押し当てる。智駿さんにいつもされるように、焦らして焦らして一気にイかせるやつを、やってみた。
「んぁっ……」
『どこにバイブあてたの?』
「ちくびです……あっ……」
『自分でバイブを乳首にあててるんだ。やらしいね』
「はい……」
身体を丸めて、バイブで乳首をいじめながらお尻の穴をほぐしていく。この、智駿さんのくれた太いバイブが奥までずっぽりはいるように、しっかり慣らさないと。指三本をぐちゅぐちゅと激しく抜き差しをしていけば、欲しいって気持ちがどんどん高まってゆく。
「あっ……ちはやさんっ……いれます、バイブ、なかに、いれます……」
『僕の名前呼びながら挿れてね』
「ちはやさんも、俺のなまえ、よんでてっ……」
十分に柔らかくなったお尻の穴から、ちゅぽ、と指を引き抜いて、すぐにぐっとバイブの先っぽを穴にあてた。ぶーん、と振動がなかまで伝わってきて、なかがきゅうんっとする。穴はバイブに吸い付くように激しくきゅうきゅうとしていて、とにかく欲しがっていた。
「ちはやさんっ……は、ぁッ……」
『梓乃くん』
名前を呼んで呼ばれて、それと同時にバイブをなかに挿れていった。智駿さんの声が、俺の記憶を呼び覚ます。いつもどろどろに甘く甘く抱かれているときの記憶がフラッシュバックして、バイブがずぶぶとはいってくると同時に俺は仰け反った。
「ちはや、さ……」
『かわいい、梓乃くん。もっと僕の名前を呼んで』
「ちはやさん……あっ、……ちはやさん……」
でっかい凹凸がなかでぐりぐりと回転して、俺のイイところをごりごりと擦りあげる。太くて大きな先っぽは奥の方で強烈に震えて俺をガンガン責め立てる。
「ちは、っ……あっ、ちはや、さ……」
『もっと奥にぐりぐりしてごらん』
「あぁー……腰、くだけちゃ……」
『気持ち良さそうな声だね。可愛いよ、梓乃くん』
バイブの持ち手をぐっと押し込んで、奥をぐいぐいと刺激する。つま先がぎゅっと丸まって脚全体がかたかたと震えて、またすぐにイきそうになった。
抑えようと思っても、息がどんどん荒くなっていって、はあはあと声にでてしまう。バイブの凹凸がごりっと俺の前立腺を擦るたびに「あっ」って声が漏れてしまって、俺の「一人エッチのときは声をださない」宣告は全くの嘘になってしまった。流石に家族に聞こえてらマズイかと、布団の中でギリギリ聞こえる程度の声には必死に抑えているけれど、一人エッチをするときにしては俺は喘ぎすぎだと思う。
でも、だって、仕方ない。智駿さんが電話越しであっても俺の名前を呼んでくれているんだから。そんななか一人エッチしたら感じまくってしまうに決まってる。
「はっ……はぁっ……」
『梓乃くん、かわいい』
「もっと……きいて……」
バイブを抜き差ししはじめると、布団の中にくちゅくちゅと音が響く。自分で太いバイブを抜き差ししてわかることだけど、俺のお尻の穴、柔らかい。簡単にバイブを呑み込んでくれる……けれど、引き抜こうとすると吸い付いてくる。智駿さんにすっかり調教されて、受け入れるのが上手な穴になっていた。
夢中になってバイブを楽しんで、何回もイクことができた。イクたびに「あっ……」って満足感に満ちた声がもれて、その度に智駿さんが笑ってくれる。イッてもイッてもまだまだ欲しくて、俺はとろとろになりながら智駿さんに声を聞かせる。
「あっ……あぁ……ちはやさん……んぁ……」
『すごい、いやらしい、いいよ梓乃くん』
「ちはやさん……!」
もう、すごく、イイ。こんなに一心不乱に一人エッチしちゃうなんて、俺、ヤバイ……そう思うけれど止まらない。腰もゆさゆさと振って、バイブもすごい勢いで抜き差しして。
「あぁーっ……ちはやさん……!」
しばらくイキ続けて、ようやく一番大きな波に、呑み込まれた。
「はぁ……ちはやさん……」
ぱた、と横になって、ぼんやりと智駿さんの名前を呼ぶ。ああ、すごく気持ちよかった。内もものぬるぬるとしたローションの感触が事後って感じがして、イった後の俺はなんだか満足感を覚える。
『梓乃くん、可愛かったよ。僕も興奮した』
「……ほんと、ですか……うれしい」
智駿さんの口から「興奮した」って言われると、すごく嬉しい。あんな、物腰柔らかなでふわふわとした雰囲気のパティシエさんが、俺の痴態に興奮してくれる。俺だけの、智駿さんって感じがして心が満たされる。
こんなに胸がいっぱいになる一人エッチは初めてだ。電話越しに名前を呼ばれて「可愛い」ってたくさん言ってもらえたし、十分に智駿さんと繋がっていた。
「ちはやさん……こんど、またしていい?」
『もちろん、いいよ。もっと梓乃くんのいやらしい声、聞きたい』
会えなくて寂しいけれど、これでなんとかその期間を乗り切れそうだ。もちろん、実際に会いたいけれど、この寂しさは今度ちゃんと会えるために味わっている。頑張ってテストを乗り越えて、そして智駿さんと無事花火大会にいく。
それから、ほんの少しぽそぽそと会話をして、今日の智駿さんとの電話は終了した。明日からもまた、勉強がんばろう……そう思って俺は目を閉じる。
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