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「おはよー! 梓乃ちゃん! 調子はどうですかー?」 「んー、普通」 「ほう!」  とうとうやってきた、テストの日。うちの大学はテスト勉強のための期間として一週間ほど休みがあったから、こうして友達に会うのは久々だ。一週間ぶりにみる彰人の笑顔は相変わらず眩しくて、よくいつもこんなにテンションが高いなって感心すらしてしまう。 「梓乃ちゃんの普通は完璧って意味だもんね! よかった、赤点はなさそうじゃん」 「んー、まあ、一応がんばったから」  この数日、本当にテスト勉強は頑張っていた。件の教科を他の教科を軽く手を抜いてまでやっていたから、それなりに頭にははいっている。それじゃなきゃ、彰人のこのギラギラとした笑顔に愛想笑いすら返せないだろう。 「梓乃ちゃん、勉強がんばったのはいいけど、彼氏さんには会ってなかったの?」 「えー? うん、まあ」 「へえ、大丈夫なの? 梓乃ちゃんムラムラとかしちゃったりしない?」 「おまえ俺のことなんだと思ってるの」 「エッチな小悪魔!」 「……おお」  でも、テスト勉強をしていたおかげで智駿さんとは会っていなかった。きっちり、我慢していたわけだ。電話越しのエッチもやっぱり実際に身体を合わせてするエッチには敵わなくて、俺の中で悶々が溜まっていっている。  智駿さんに触られたい、智駿さんに抱きしめられたい、智駿さんと一つになりたい……すきあらば智駿さんのことを考えてしまうくらいに、俺は智駿さん不足。 「エッチしたかったなら俺のこと呼んでくれればよかったのに~。クレバーに抱いてやるぜ」 「テストの教室っていつもと違う教室だよね」 「そうだよ。314の教室だったかな」  早く今日のテストが終わらないかな、そんなことばかりを考えていた。今日のテストが終わって、それから数日にわたる他の教科のテストも終われば智駿さんに会える。もう一息の我慢だ、と俺は気合をいれた。

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