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「今日、梓乃くんモデルやったんだっけ?」 「あ、はい、そうです」 「モデルって大変なんだよね。お疲れ様」  由弦と別れたのが、夕方ごろ。色々と危なっかしい予感はあったけれど、無事に何事もなくお開きとなった。以前智駿さんに「無防備だ」と言われて、その時の俺は男を相手に過敏になってどうするんだと思っていたけれど、さすがに今日の由弦からは危険を察したから俺は俺で色々とがんばったのだ。「ボディアートしていい? 全裸で!」って言われたときは必死に断った。  今日は「無防備」なんて言われて怒られるようなことはしていない。だから今日は智駿さんにいつもみたいに甘~く抱いてもらうんだ……! そう、思っていた。  思っていたのに、だ。 「あ、由弦からなにか……」  スマホに、メッセージの通知が届く。由弦からのようだ。なんだろうと開いてみてーー俺は「ひえっ」なんて情けない声をあげてしまう。 『梓乃くん、今日はありがとう! 今日描かせてもらった絵、モデルになってくれた梓乃くんには送らないとって思ったから送るね!』  なんと空気を読まないのか、由弦がメッセージと一緒にあの絵を写真でとった画像を送ってきたのだ。そしてなにが最悪って、俺が声をあげたものだから気になったのか、智駿さんがちらりと俺のスマホを覗いてしまったこと。  俺の、あの破廉恥を極めている絵を、見られたのだ。 「……この絵は梓乃くんだよね」 「え、……ええ、そうです」 「モデル、したんだもんね。梓乃くん、由弦くんの前でこんな風にしていたの?」 「い、いやっ……こんな、やらしい顔は……」  やらしい顔は、……していたか。智駿さんにしばらくエッチをお預けされていたから、悶々として脳内オナニーをしていた。それに、この緊縛だってよくよく考えれば、かなり変態ちっく。  智駿さんが面白くないって思うような、そんなモデルを俺はしていたのだ。 「ふうーん」 「ちょ、ちょっとまって、智駿さん! 俺、べつに油断していたわけじゃなくて! その、由弦のより良い作品のためにですね……!」 「まだなにも言ってないでしょ?」 「……っ、」  ああ……やってしまった。オシオキ、される。  思いっきりいじめられるのは嬉しいけれど、慣れないプレイだとどうしてもハラハラしちゃうから、すぐには喜べない。この前のおもらしプレイだって……恥かしすぎて結構辛かったし。気持ちよかったけど。  俺はヒヤヒヤひながら立ち上がった智駿さんの背中を追う。智駿さんはキッチンに行って、なにやら道具をとってきた。なんだろうとよくよく見てみれば……智駿さんの手にあるのは、ハケ。 「これ、もう新しいのに変えようかなーって思ってて」 「……そ、それを何に使うつもりで……」 「んー?」  智駿さんはふっと笑うと、ハケで俺の唇を撫でる。 「由弦くん、このいやらしい身体を描いたんでしょう。ズルいから、僕は直接梓乃くんの身体に筆でお絵描きしようかなーって」  え、なんだって?  聞き返そうと思ったけれど、ハケが口の中にずぼっと入ってきて、言葉を発することを封じられた。智駿さんはハケでくちゅくちゅと俺の口の中をかき回してゆく。

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