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「こんな昼間からどこにいくの……セラ」 「いや昼間だからこそ外にでないと」 「えー……なんか俺、今日は家で寝てたいんだけど……」 「これだから大学生は!」  少しだけ寝て、太陽がてっぺんに昇るころ。まだまだ睡眠不足な俺は、セラにひきずられるようにして外に出た。  気分はなんとなく鬱々。太陽の光がうっとうしいなんて感じる、そんな気分。俺は外を歩こうという気分にはなれなくて、むすっとしながらセラの後ろをついてゆく。  どこへ向かっているのだろう。セラのことだからラブホとかに連れて行くつもりじゃないだろな……なんて、ちょっと疑ってかかってみる。しかし、現れる町並みは、落ち着いた雰囲気の住宅街。とてもじゃないがラブホなんてものはなさそうで。じゃあ、カフェとかなにか? とも思ったけれど。なんだか、そういえば……みたことのある風景だな、と途中から思い出した。 「……セラ。どこへ向かっているのです?」 「えー? 俺のいきたいところ?」 「……俺を連れてくる意味は?」 「なんとなく!」 「……ストップ。ストップストップ! ここ、白柳さんのマンションだよね!?」

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