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affogato~どうか、溺れさせて~

 ――ああ、空が蒼い。  暁が溶けて、透き通るような朝の空。雲一つもなく、何一つ蒼を遮るものもなく。ふっと吐いた紫煙も、すぐに消えてなくなった。 「ああ、もう起きてたんだ……いつの間にか部屋から消えているからどこに行ったのかと」 「……すみません、ベランダ借りてまーす」 「いや、いいよ……。っていうかおまえ、タバコ吸うんだ」 「俺、一人で吸ってるのが好きなので、窪塚さんの前では吸ったことないかもしれませんね」  空を駆けるあの鳥は、どんな気持ちで駆けているのだろう――どうか俺に教えて欲しい。きみは、一度とまった木のことを、恋しく思うことはあるのだろうか。  ――空を自由に駆ける鳥の美しさに憧れた。けれど、今はその美しさに儚さを想う。自由の切なさを知った、俺は。 「何を考えながら、一人でタバコを吸ってんだ?」 「ええ? 教えられませんよぉ、俺の秘密ですから。変なこと聞かないでください、窪塚さんのえっち!」 「……はあ、おまえの考えていることがわかんねえなあ……セラ」  ――ああ、空が蒼い。  蒼を遮るものは、何もない。  

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