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 面倒になってきて、はっきりと言ってやった。そうすれば白柳さんはにやーと憎たらしい顔で笑う。   「おまえ、なっかなか素直に言ってくれないから、改めて言われると嬉しいなあ」 「う、うぜー、もう気が済みましたか、放してもらえません?」 「やなこった」 「なんで!」  口でうっかり言ってしまったからか、妙にドキドキとしてしまって彼と目が合わせられない。これだから嫌だったのに、と思うが、なぜだか少しだけ胸が軽くなる。  俺が少し抵抗を薄めたからだろうか、白柳さんは俺の服を脱がせてきた。彼がこうしてセックスに積極的になることなんてほとんどなかったので、感動してしまって彼に体を委ねてしまう。彼に胸元をちゅ、と吸われると、素直に「あぁっ……」と声が漏れてしまった。 「前はあれだけ俺にべたべたしてきたくせに、急に避け出すからなんかあったのかと思ったよ」 「んっ……白柳さんって、一応そういうの気にするんですね、」 「まあ、放っておいて欲しいのかなって思ったからな、何も言わないでいたけれど」 「じゃあ、なんで急に……」  きゅうっと乳首を摘ままれて、びくっと腰が撓る。ついのけぞってしまった俺の体を白柳さんはぐっと抱き込めて、かり、と耳を噛んできた。そのまま乳首をくりくりとこねられながら、ふ、と息を耳孔に吹きかけられて、たまらなくなってため息が零れる。 「俺だって我慢できなくなるよ、好きなんだし」 「――……っ」  か、と顔が熱くなってうっかり手が出そうになった。頭の中ではもう俺は悲鳴をあげている。久々に白柳さんからストレートにそんなことを言われて、パニック状態だ。

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