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 体の奥がびくびくと細かく震えている。白柳さんはそのまま奥をぐぐっと圧迫するように俺に覆い被さって、抱きしめてきた。 「白柳さん、……」  彼は、俺に呆れていないだろうか。こんな俺をこうも好きでいてくれるのに、俺がいつまでもフラフラとしていることに、憤っていないだろうか。  少し怖くなって、彼の背を掻き抱く。もしも見放されたら、これが最後のセックスになってしまうかも、なんて思って、怖くなって、強く彼を抱きしめた。 「ねえ、白柳さん……」 「ん?」 「……とびきり……優しく、突いてくれませんか」  白柳さんは俺を見つめて、眉をしかめる。  優しくして、なんて、白柳さんにしか頼めないから、決死の覚悟で甘えてみたけれど、それを彼はどう思ったのだろう。少し罪悪感を覚えて、白柳さんから顔を逸らす。   「……はあ、」 「……、」  ため息をつかれた、ような気がする。  ぎくりとした。ため息をつかれて当然の態度を俺はとっているが、実際にされてしまったかもしれない――そう思うとたまらなく怖くなった。

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