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第3夜 ②

(遥視点) 「ただいま」 誰もいないマンションの一室に帰宅を告げる。 そして、鞄からスマートフォンを取り出し、早速、恋人に電話を掛けた 3コールほどで呼び出し音が止み、男の声が応える。 「もしもし、遥?もう帰ったのか」 「ん、悠。今大丈夫だった?」 「俺はいつでも。しかし、はやかったな。走って帰ってきた?」 悠はエスパーか何かなのだろうか。駅から自宅まで小走りで帰ってきたことなど、お見通しのようだ。 しかし、見透かされているのが癪で、虚勢をはる。 「別に。こんなもんだろ。」 「そっか。ま、取り敢えずおかえり。」 「ただいま」 「ごめんな?急に電話かけたりして。」 「いいよ別に。いつもならとっくに仕事終えて帰ってる時間だし。」 「いやー、今週は会えないのかと思うと、寂しくなってさ。一人でオナニーしようとしたら、急にお前の声聞きたくなった。」 「お前はいつもそういうことを‥‥」 悠から連絡をくれるのは嬉しいが、その理由を聞くと、何も言えなくなる。 「えー、溜まってるのはお互いさまだろ?」 「それは、まぁそうだけど‥‥」 今はもうおさまってはいたが、会社で勃起させていた俺は、どうあがいても言い返せず、語尾は声が小さくなる。 「ほぉぅ。やっぱりお前も溜まってんじゃん。なぁ、遥って、一人でオナニーしたりすんの?」 「するよ、それくらい。俺だって男だし‥‥ 」 「遥がどんな風にするのか、前から気になってたんだよなぁ、今、実際にヤってみてくれない?俺も、それをオカズに抜くからさぁ」 「冗談じゃない!それ、俺にどんなメリットがあるわけ?」 「恥ずかしいとこ見られて興奮しちゃう遥ちゃんにはちょうどいいと思うけどな~」 どこかで、悠のスイッチを押してしまったのかもしれない。 スイッチの入った悠は、どこまでもサディストだ。終始俺をいじめて、面白がっている。 こうなったらもう止められないため、不承不承、彼の言う通りにしよう。 「わかったよ。ローション持ってくるからちょっと待ってて」 そう言って俺は、パタパタと部屋を出ていった。

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