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※第11話

「くっ、はァ、ッンーーッ」 抑制を解いたのか統久の表情が変わり目元が赤らむと、開いた脚の隙間を震わせて指の動きを享受して腰を蠢かせる。 理性を何とか保たせようと無駄な足掻きをするように拳を握りしめているのが健気で、遠野はくすりと笑う。 遠野は見せつけるように、浅い箇所を肉襞をめくりながら指を抜き差しする。 「仕事中はどんな上司なのか想像できないけど、いつもストイックな彼がこんなに蕩けだすのは見ものだろ」 遠野はフェロモンにあてられ始めたシェンに興味深そうに問いかける。 「近くにはオメガ性はいないので、こんな風になるのは初めてみましたよ」 「ンッあ、あ、ああ、やっ、と、ぉのッ」 鼻にかかった媚を含んだ声をあげて、統久は指を増やされ脆い箇所を摘みあげられると、びくんびくんと身体を跳ねさせて、前を精とカウパーで濡らしていく。 「フェロモンを飛び散らせて、ところかまわず誘いまくって、さっさとアルファに囲われれば、苦しまなくてすむのにね」 濡れた腹筋をゆるゆると撫で上げて、亀頭を摘んでくちくちと擦りあげる。 「ッはァ、ああ、ああッ、や、あッーーッあ、はあ、あ、とお、のっ、もう、ッ」 「君もそう思うだろ。こんな風に身体まで投げ出して、仕事をする必要はないのに」 「そうですね」 「ッふ、ああ、も、ぉ、いれて、なか、ほしいッ」 荒い息を乱して、指の動きに耐えきれないと顎を反らして脚を開き淫らじみた動きでねだる様子に普段の彼の姿が見えず、シェンは思わず食い入るように見つめる。 確かにシンジケートを潰したとして、叙勲されたとしても、彼には何が残るのだろう。 嫁に行きたいとか言っていたのに、こんなことをしていたら、嫁になどいけないだろうに。 「昔、彼はオメガの収容所にいたんだ。そこでは人身売買がおこなわれていてね。私も客のひとりで、彼を買っていたのだけれど。その人身売買のシンジケートを潰したいとね、必死なんだよ」 目の前で犯罪を口にする遠野をシェンはじっと見返す。 人身売買をするような男とは、さすがに彼の正義感からは、番になりたくはないだろう。 自分と同じ境遇の者達を救いたいのか。 「いいよ、君の大好きなおちんちんあげるからね」 シェンは背後から統久の腰を持ち上げ、指を引き抜くと十分に緩くなった合わせ目に、切っ先をそえて一気に奥まで貫く。 「ッは、ぁああ、ああッ、あ、あくっふ、うううーーッう、う、ひぁ、ああ、ひも、ひいっ」 シェンがいることも忘れてしまったかのように、統久は内部を埋められる充足感に、歓喜の声をあげて身震いを繰り返していた。

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