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※第59話
吐き出してぬかるんだ柔らかい肉に再び煽られて奥まで挿しこみ抱き寄せる。
「ズルい人、だな」
顎をあげてあえやかな呼吸を繰り返している、噛み跡の残る唇へと舌先這わせて低くささやく。
どちらが幸せだったかなんて分からないのに、どう考えてもこっちの選択が苦悩しかないのに、それでも、こちらを選んで良かったのかもしれないと、統久の表情にシェンはおのずと答えが決まってしまう。
「……ッンン、ふ、な、ンだよ……ッ、報酬、だろ……もっと堪能するか」
背を反らして中にはんだ肉を煽るように腰を捻り狭間を擦らせ、唇の端を引き上げて笑みを刻む。
「充分、ご主人様プレイできたし。あ、もう一度呼んでくださいよ、ご主人様って」
くっくと笑いながらごつごつと肉をめくる勢いで抜き差しを早めて低く囁く。
カッと肌に熱をもたせるが、イタズラっぽい表情を浮かべて、
「ッ……ッンン、ご、しゅじんさま、あッ、なか、もっと突き上げて、ぐちゃぐちゃかきまぜて、孕ませて」
切なそうに声を掠れさせて、囁く様にシェンはごくりと息をのんで胎内の欲を滾らせ、ホントにズルいと呟くと、腰を掴んで子宮をずんずんと押し上げる。
「……ッンンッあ、あああッ、ッぁ、ああッ」
甘やかな声が響き始めてたまらないように、指先がシーツを握る様に更に密着を深める。
「く、そッ……ッアンタをオレのものに、しちまいたい」
思わず漏れてしまうホンネに、統久は悦楽に溺れてとろんとした表情を浮かべて腰を寄せる。
「ッ……あ、ッシェン……ッあああ、ふかい、ッ、して、して、ッあああ、おまえの、はらませて」
発情期でもないし、先ほどピルも飲ませたので孕むはずもなかったが、シェンは煽られるように腰を突き上げて、何度も孕めよと耳元で繰り返した。
「大丈夫か」
流石に体力続く限りと間髪入れずに5回は繰り返した性交に、ぐったりとして精液にまみれてシーツの波に沈んでいる統久に心配になって声をかける。
「…………ん…………きもち、いい」
「そうかよ……」
返ってきた言葉に気が抜けそうになりつつ、手を伸ばして乾燥してパサつく黒髪に指を滑らせる。
「孕みたいな……」
ぼんやりと呟く言葉に、シェンは目を見開く。
「そうかよ……ッてなあ、ピル飲ませたぞ」
「……残念」
どこまで本気で言ってるのだろうか。
シェンは統久の顔を見たいと思うが、横を向いていてシェンの位置からは見えない。
「シェン……ゆびわ、あるか?」
「ああ、爆弾のか?あるぞ」
指にはめていた二本の指輪をシェンは抜き取ると、統久へと翳す。
「なあ、ゆびわはめて、またプロポーズしてよ」
統久はぼんやりとした口調で呟いた。
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