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貴方のそばで願わせて。(1)

「おはよう、ハル」 「はよー……」  あくびをこぼしながらリビングに行くと、キッチンに立つメグ先輩に優しい微笑みと声色で迎えられる。  いい香りがすると思えば、すでにテーブルには朝ご飯が並んでいた。カフェのメニューでもある、たまごとハムのサンドとカフェモカ。多分メグ先輩はブラックコーヒー。  目を擦りながら座ると、エプロンを片したメグ先輩も続いて前に座る。  まだ寝ぼけている俺を見たメグ先輩は、ふふっと笑みをこぼした。 「眠そうなハルも可愛いね。身体は大丈夫?」 「全然、へーき」 「だったらよかった。無理はしないでね。朝ご飯、残しても構わないから」 「だいじょぶだって……ふあぁ……」  メグ先輩と話しているうちに、だんだん目が覚めてきた。  最後のひとつと言わんばかりにあくびをして、俺はカフェモカのカップに手をつける。まだ温かい。  そっと口に含むと、まろやかな甘さとほんの少しの苦味が口いっぱいに広がった。香りも優しくて、どこか安心する味わいだ。 「俺、メグ先輩の淹れるカフェモカ、ほんとに好き」 「そう? ありがとう」  メグ先輩の笑みも、カフェモカに負けないくらい優しくて柔らかかった。  一度に飲みきってしまうのも勿体無い。俺は半分ほど飲んでから、カップから口を離した。

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