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応接室に入ると、内装は変わらないままだった。
対面しあうソファーの間にはテーブルがあり、部屋の片隅の本棚には大量の本が所狭しと並んでいる。
久々の応接室を眺めていると、まーやんが俺とメグ先輩に座るよう促した。
「来てくれてありがとうな。俺はハルの所謂かかりつけ医ってやつだ」
「はじめまして。桐宮恵利です」
「突然の呼び立てで悪いな。えーっと、桐宮さん?」
「お好きなように呼んでください」
「じゃあメグで。堅苦しいの好きじゃねぇし、楽にしてていいからな」
「ありがとうございます」
メグ先輩とまーやんは今日が初対面だ。けれど、あまりよそよそしい雰囲気もなく、お互いが上手に距離感を測れていることがわかる。
さすがメグ先輩とまーやん。
内心で拍手を送りながら、俺はお昼ご飯を入れたバスケットをテーブルに置いて、中身を広げる。
「これ、約束のお昼ご飯。メグ先輩と作ったから味は保証する」
「おーすげぇ。そうか、ハル達はカフェ開いてるんだったな」
「俺はバイトだけどねー」
そりゃカフェの開店当初から働いてるけど、経営しているのはメグ先輩だ。
まーやんは俺の訂正を気にもとめていないらしく、ピザ風のバケットを口に入れて「うまっ」と感想をこぼしていた。
「なんだこれ、超うめぇ」
「メグ先輩が作ったんだから当然だって」
「いや、その種類を作ったのはハルだからね?」
「そーだっけ?」
「そうだよ」
そういえばチーズ乗せてた気がする。メグ先輩と話すのが楽しすぎてそっちのほうが覚えちゃってるわ。
まぁ、まーやんが美味しいと言ってくれるならそれでいいんだけどね。
「やべ、食べ続けるとこだった。そろそろ本題に移らねぇとな」
「まーやん、俺……オメガになった」
「だろうな」
サラッと言われて、驚きのあまり言葉を失う。
目を見開いてまーやんを見ると、まーやんは腕を組んで背もたれにもたれかかる。
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