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どういうことだよ!? 第2幕
(せっかく――せっかく江藤さんに告白されて両想いになり、熱い夜をふたりきりで過ごしたというのに、次の日には忘れ去られてしまったすべての情事――)
『あっ……佑輝くんの、っ……挿いって、るぅっ。気持ちいいっ……もっと、あぁっ!』
両手で膝裏を持ち上げ、押し込むような形で無理やり挿入したのに、奥を突いてくれと言わんばかりに、両足が躰に絡みついてきた。
「江藤さん、痛くない? 大丈夫?」
『んんっ、らいじょう、ぶ。ぁあ~っ、そこ! もっと激しくぅ!!』
言いながら俺自身をこれでもかと中で締めあげ、両手はシーツをぎゅっと掴んで腰をしならせる。つらそうに息を切らしているけれど、まなざしが妙にギラついて見えた。
きっと快感を貪っているんだろう。欲望には素直に従う人だから。
そういう姿を目の前で見せられているからこそ、さらに快感を与えるべくここぞとばかりに必死になったのだが、もっとやれとせがんできて本当に困ってしまった。
「江藤さん、腰の動きを緩めて。くぅっ……。気持ち良すぎてすぐにイっちゃうから」
『む、無理に……んっ、決まってる、だろ。やっとひとつになれた、んだ。それを感じなくてどうする、よ?』
「感じさせたくても、こんな風に締められたら何もできないって」
俺自身を離さないと言わんばかりに包み込むだけじゃなく、時折ヒクつく動きは早くイケと促されてるみたいだ。
「俺様だって、おまえを感じさせたい。好きなヤツを……ぉ、追いつめて、とことんまで、あぁっ、感じさせてやりたいじゃないか。もっと感じやがれ!」
責めてるはずの自分が、なぜだか江藤さんによって責められてる気がするのは、どうしてなんだ!?
「はぁっ……佑輝くんの大きくなって、るから、気持ちいいとこに、ぐりぐりあた、るぅ」
我慢しているそばから、この人は――眉間にシワを寄せて、長いまつ毛をぴくぴくさせながら唇をほころばせるなんて。
あー、もう駄目。かわいすぎる。めちゃくちゃにしてやりたいのに、下半身の事情でそれができないなんて、情けないにも程がある――
「江藤さん、俺……俺は」
持っていた足を放り出し、しがみつくように躰をぎゅっと抱きしめた。鼻先に香ってくる匂いを思いっきり吸い込む。
『何やってんだよ、おまえ。鼻をそんなにくんくんさせて。俺様の匂いが、そんなにいいのか?』
「好きなんだ。江藤さんの匂いだけじゃなく全部が好き。愛おしくて堪らない」
感極まって告げた言葉に、躰の間に挟まっている江藤のナニがピクピクと反応した。
『……好きなヤツからそうやって想いを込めて好きって言われるの、結構クるもんだな。抱き合ってひとつになっているせいか、躰と一緒に心も満たされちまう』
「江藤さん、俺も同じです」
『そんな気持ちに応えてやりたい、丸ごと受け止めてやる。好きなだけ俺様のことを抱いてみろ!』
どこかくすぐったそうに告げてから、力いっぱいに抱きしめ返してきた大好きな先輩を、一晩かけて思う存分に抱きしめてしまった。
今まで反発し合っていた分ちょっとだけ、離れていた互いの距離が縮まったかも。
そう思ったのは、自分だけだったみたいだ――全部忘れちまうなんてこんなオチ、普通ならありえないだろ。どういうことだよ!?
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