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第2話 出会い
銀ちゃんは僕を立たせると、手を繋いで歩き出した。
「銀ちゃん…どこ行くの?」
「俺のお気に入りの場所があるんだ。そこに連れて行ってやるよ」
「ほんと⁉︎うわぁ、楽しみっ」
僕はにこにこと笑うと、銀ちゃんの手をぎゅっと握りしめた。
銀ちゃんもにっこり笑って、握り返してくれる。
「凛は何才なんだ?」
「5才!夜でも、一人でトイレに行けるんだよ。すごいでしょ!銀ちゃんは?」
「ん?俺は9才だ。おまえの4つ上だな」
「すごーい!兄ちゃんよりおっきいっ」
「そうか?凛もさっき、難しいおまえの名前を書いてたじゃないか。すごいぞ」
「うふふ、凛すごい?ありがと」
僕は繋いだ手をぶんぶん振って、銀ちゃんをきらきらした目で見上げた。
「ふっ、ところで凛の兄は幾つなんだ?」
銀ちゃんが楽しそうに聞いてくる。
「えっとね…、8才なの!兄ちゃんはかっこいいんだよ!凛…遊んで欲しくて、いつも兄ちゃんの後について行くんだけど、たまに凛を置いてどっか行っちゃうの…。今日も、凛がきれいな赤い葉っぱ集めてたら、どっか行っちゃった…」
また悲しくなってきて、しょんぼり俯くと、銀ちゃんがしゃがんで、僕の顔を下から覗き込んできた。
「でも、そのおかげで俺は凛と出会えた。俺は凛と知り会えて嬉しいぞ」
「うん…ありがと。凛も銀ちゃんに会えて嬉しい!」
そう言った僕の頰を、繋いでない方の手でむにむにと摘むと、また立ち上がって歩き出した。
僕の他愛のない話を、銀ちゃんが「うん、そうか」と返事をしながら聞いてくれている間に、いつの間にか銀ちゃんのお気に入りの場所に着いたみたいだった。
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