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第37話 新たな約束
銀ちゃんの告白を聞いた瞬間、どくんと大きく心臓が跳ね、治まっていた涙がまた溢れ出してきた。
俺は、ずっと、この言葉が聞きたかったんだ…。
俺も、胸に秘めていた想いを吐き出す。
「ほ、ほんとに?俺のこと好き?俺も…俺も、銀ちゃんが好き…っ。銀ちゃんの傍にいたいっ。お、俺でいいの?俺、男だよ?ほんとにいいの…?」
「ああ、凛がいい。凛じゃないと駄目だ…。凛もいいのか?俺も男だぞ」
「いい…、銀ちゃんがいい…っ。銀ちゃん、の花嫁にして…」
「凛、今度こそ、約束だ…」
「ん…」
背中に回ってる銀ちゃんの腕の力が強くなって、身体が密着する。そして、ゆっくりと俺の唇に唇が押し当てられた。
何度か角度を変えて触れ合わせる。触れ合う度に、胸の奥から幸せが込み上げてくる。それと同時に、唇から痺れがぞわりと身体中に広がり、俺の中が蕩けていく。
さっき泣いたせいで鼻が詰まって苦しくなった俺は、小さく口を開けた。そこにぬるりと舌が挿し入れられる。
「ふぅ…ん…っ、んぅ…」
合わさる唇の隙間から、俺の甘い声が漏れた。
昔、契約の時にしたキスは、苦い味がしたけど、今は甘さしか感じない。俺の口内を動き回る銀ちゃんの舌に、拙いながらもそっと俺の舌を絡めた。それに応えて、銀ちゃんが俺の舌を絡め取り、強く吸い上げる。
俺は頭も身体も蕩けてしまい、口の端から飲みきれない涎を垂らして、ゆっくり瞼を上げ、ぼやけた視界で銀ちゃんの目を見つめた。
至近距離で見つめ合ったまま、水音をさせて深くお互いの口内を貪った。
程なくして、俺の息が苦しくなり銀ちゃんの胸を叩く。銀ちゃんが目を細めると、ちゅっと音を鳴らして唇を離した。俺と銀ちゃんの唇の間に銀色の糸が引いて切れる。
「はぁっ、はぁっ、も…無理…」
「これぐらいで根をあげてたら駄目だ…」
「ええっ…」
涙目で、はあはあと息を切らす俺を見て、銀ちゃんが意地悪に口の端を上げて笑った。そして、俺の顎に垂れた涎を舐めとる。
「もう少し2人きりでいたいが、そろそろ戻るか」
「あっ、そうだよ。俺、飛び出して来ちゃったから、鉄さん、心配してるよね…」
「…凛、どういう経緯でくろに連れて来てもらう事になったのか、後で説明してもらうからな」
「え…、あ…ふぅ…っ、んっ」
後頭部を引き寄せられて、銀ちゃんがまた激しく俺の唇にかぶり付く。何度繰り返しても足りないと言うように、銀ちゃんはいつまでも俺を離してくれなかった。
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