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第81話 校外学習

前日にゆっくりと休めたので、やっと普通に歩けるようになった。 今日は半日、山をトレッキングする予定になっていたから、なんとか足手まといにならなくて済みそうで、ほっと安心する。 不安があるとすれば、昨日清忠が言っていた蛇の妖のこと。 ーーほんとにいるのかな…。 山をじっと見つめる俺の隣に清忠が来て、肩にぽんと手を乗せる。 「凛ちゃん、昨日俺が言ったこと気にしてる?大丈夫だって。俺がいるし、悪い妖だという話も聞いた事ないから。第一、そんな悪いのがいる所に、一ノ瀬さんが黙って凛ちゃんを行かせるわけないじゃん」 朗らかに笑う清忠を見ていたら、俺の中の不安も払拭されて、だんだんと気持ちが晴れてきた。 「そうだよな。俺、結構山を歩くの好きだから、ほんとは今日、楽しみだったんだ。清、頑張ろうなっ」 「おうっ」 せっかく景色と空気の綺麗な所に来たんだし、いろんなものを見て、帰ったら銀ちゃんに話してあげたい。 俺は大きく伸びをして、身体を軽くほぐし始めた。 ちらほらと色付く葉っぱもあって、信州の朝の空気はひんやりとして冷たい。でも日中は、動くと汗ばみそうだったので、長袖Tシャツにパーカーを羽織り、怪我や草にかぶれたりしないように、下はジーパンを履いていた。

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