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第102話 宝石のような煌めく時間 ※

校外学習の時に捻挫した足首は、完治するまで思いの外時間がかかった。山の中で逃げる時に、無理に歩いたからかもしれない。 それにセックスの時、騎乗位が気に入った銀ちゃんに頼まれて俺が上になり、つい足首に力を入れて動いてしまうのも、理由の一つだと思う。 行為の後に俺が足を痛がると、「悪い」と撫でて謝りながらも、また騎乗位をせがむエロい銀ちゃんは、きっと反省してない。 「俺の上で蕩けた顔をする凛が、とても可愛くて見るのを我慢出来ない」 と、それこそ蕩けるような甘い顔で言うんだ。だから俺も結局は銀ちゃんの頼みを聞いてしまう。 それに、騎乗位だと俺が銀ちゃんを責めてるように思えて少し…いや、かなり興奮する。 そんな理由で、3週間で治るところが1ヶ月かかってしまった。 でも、あれからは何事もなく、平穏な日々が過ぎた。 そして12月になり、今日は銀ちゃんと初めて迎えるクリスマスイブだ。 俺は今、イルミネーションを見に行く為に、街の中心部の駅前で銀ちゃんと待ち合わせをしている。 銀ちゃんが、夕方まで縹さんに会社の仕事を言いつけられていたから、直接、駅で待ち合わせした方がいいということになった。 初めは、「クリスマスなんて関係ない」と言う銀ちゃんに却下されたけど、俺が可愛く「どうしても銀ちゃんと見たい」とねだると、溜め息を吐きながらも承諾してくれた。その時、銀ちゃんの口の端が上がっていたのを俺は見逃さなかった。 ーーもう…、そんな嬉しそうにして。つくづく、銀ちゃんは俺に甘いよな…。 銀ちゃんはいつも、結局は俺の言う事を何でも聞いてくれるから、俺も度の過ぎた我が儘は言わないように気を付けていた。

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