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第105話 宝石のような煌めく時間

カジュアルなフレンチレストランで少し早めの夕飯を食べて、イルミネーションを見に行った。 並木道に青色LEDが輝き、とても幻想的で美しい。青く輝く並木を見ながら歩いて、大きな公園に入る。中は、大きな木に点滅する光が輝いていて、これもまた夢の中にいるような気分になる美しさだった。 手を繋いでゆっくりと歩きながら、一つ一つ輝く木を見て回る。俺がマフラーを口元からずらして、小さく口を開けて見上げてると、突然目の前に銀ちゃんの顔が現れて、俺に口付けた。 俺は抗議の意味を込めて頰を膨らませる。銀ちゃんが「可愛過ぎ」と言って笑った。 それを、立ち止まって木を眺める度に繰り返した。 ーーもうっ、どんだけ俺の事好きなんだよ…っ。 俺は照れて怒ったふりをするけど、本当はすごく嬉しい。銀ちゃんはいつも真っ直ぐに、俺を好きだと伝えてくれる。 最後の木の前に着くと、俺は銀ちゃんのコートの襟を引っ張った。銀ちゃんが身を屈めて顔が近付いた瞬間、俺の方から口付ける。ちゅうと吸い付きぺろりと唇を舐めてから顔を離す。俺がしたり顔で笑った途端、後頭部に回った手に顔を引き寄せられ、強く唇を吸われた。息もつけないほど激しく唇を貪られて、俺は銀ちゃんに支えてもらわないと立っていられないくらいに、とろとろに蕩けてしまった。 しばらく抱き合ってから、ゆっくりと身体を離す。雰囲気に飲まれてしまったけど、ここは外だという事を思い出して急に恥ずかしくなってきた。 俺が挙動不審に動いてると、「凛…」と頭上から声がかかる。俺は銀ちゃんを見上げて「どうしたの?」と首を傾げた。 「来年も再来年も、ずっと一緒に見に来ような」 そう言って、綺麗な笑顔で笑うもんだから、俺の胸がまたきゅんと鳴った。 「うん、約束だよ」 俺も笑顔を返して、2人で笑い合う。そして、どちらからともなく手を繋いで、公園を後にした。

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