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第106話 年末年始 ※

銀ちゃんとイルミネーションを見に行った翌日から3日ほど、俺は東京の家で両親と兄ちゃんに久しぶりに会って過ごした。 両親と兄ちゃんは、年越しを両親が赴任している海外で過ごす予定らしく、俺はどうするか聞かれたけど、年末は銀ちゃんと過ごして正月には天狗の郷に行く事になっていたから断った。 28日には銀ちゃんの待つ家に帰って来た。銀ちゃんと念入りに掃除をし、大晦日は2人でコタツに入って過ごした。 そして、年を越す少し前から身体を繋げ、一つになったまま年を越した。 俺の中にたっぷりと子種を注いで満足そうに微笑む銀ちゃんを見て、そのエロさに呆れながらも、俺は日増しに好きになっている事を実感する。 ほんとは、俺の中に吐き出したものも、ずっとこのまま留めておきたい。でも、お腹が痛くなるだろうと、銀ちゃんが丁寧に掻き出してしまう。俺は、それを少し寂しく思ったりもしていた。 正月早々、銀ちゃんの腕の中で目覚めてとても幸せを感じた。 と言っても、去年の夏以降、ほとんど一緒に寝てるのだけど…。 俺が布団の中でもぞもぞとしている間に、銀ちゃんは顔を洗ってきて身支度を整え始めた。 藍色の着物を着て、羽織を羽織る。今日は銀ちゃんだけ、天狗の郷に毎年恒例の挨拶に行くそうだ。夜に一度帰って来て、明日は俺と2人で挨拶に行く予定になっている。 俺はというと、清忠と前に約束していた倉橋の家の神社へ初詣に行く事になっていた。 取り寄せのおせちと銀ちゃんが作ってくれた雑煮を食べてから、一緒に家を出る。 「凛、気をつけて行くんだぞ」 「うん。銀ちゃんも気をつけてね」 「ああ」 俺の頰を撫でて唇にキスを落とすと、銀ちゃんは、昔にいつも会っていた神社の方へと歩いて行った。 俺も身体を返して清忠と待ち合わせの駅へと向かう。駅に着くと、まだ早い時間なのに清忠がすでに来ていた。 「あけましておめでとう。清、早いね」 「凛ちゃん、おめでとう。今年もよろしく。凛ちゃんと出掛けるのが楽しみで早く来ちゃったよ」 「ふふ、そう?あんまり一緒に出掛けた事ないもんね。じゃあ行こっか」 「凛ちゃんには背後霊……い、いやっ、旦那様がいるからしょうがないけどな。…ん?いや〜ほんとに愛されてるよね…。すげーマーキング…」 「え、なにっ?なんかあるの?」 「えげつないくらい、一ノ瀬さんの匂いが擦り込まれてるよ…。昨夜も熱く愛されたんだねぇ」 清忠の呆れたような表情に、俺の顔がかっと熱くなった。 ーーな、なんかいつもより念入りに身体中を舐めてると思ったんだ…っ。それに、俺の中に吐き出した後もずっと腰を押し付けてた。もしかして俺の中に擦り付けてたのっ? 「一ノ瀬さんの愛情は半端ないね…」 俺の肩をぽんと軽く叩いて「行こう」と歩き出した清忠の後を、俺は顔を上げれずに震えながら付いて行った。

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