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第151話 鉄side
凛を探すうちに雨が降り出し、僕達は持っていた傘を差しながら歩く。
しばらくして見つけた凛は、大きな木の根元でずぶ濡れになって座り込んでいた。
僕達に気付いて、ゆっくりと立ち上がった凛に真白が近付く。逃げも喚きもしない凛を、僕はじっと見つめた。
そこで、思いもかけなかった反撃を食らう事になる。
凛が、陰陽師の退魔の術を使ったんだ。予想だにしていなかった状況に驚いて固まっていると、本当に身体が動かなくなった。
ーーなんだ?なぜこいつにこんな事が出来る?
少しパニックになっている所へ、結界を破って妖狐と天狗がここに向かって来ると真白が言う。
妖狐はたぶん、凛と同じ学校の仲の良いあいつだろう。天狗とは、もしかしてしろなのか?さすがに、今の状態で会うのはマズい。
そう思って焦っていると、タイミングよく織部が僕を探しに来た。ここは一旦、仕方なく身を引く事にして、織部に僕と真白を運ばせた。
家に戻って30分もしたら身体が動くようになった。
真白が「あの子すごいねぇ…」と、とぼけた事を言ってるが、それどころではない。
凛は、とことん僕の思い通りにいかない。しかも、いつも僕の想像の上の事をしでかす。
僕の胸がまたむかむかとして、着ているシャツを握りしめると、これからどうするかを思案し始めた。
そして、また凛の事ばかりを考える日々を過ごしていく。
凛がなぜ陰陽師の術を使えたのかを考えた時に、ある事に思い至る。僕は、真白の元を離れて凛の住む街へ戻り調べた。
そして、思った通り凛の祖母の生家が、代々陰陽師を輩出してきた賀茂家だとわかった。今は誰も陰陽師をやってはいないようだったが、その血を受け継ぐ凛が、術を使えたのも納得出来た。たぶん、何かあった時の為に、祖母が教えていたのだろう。
しかし、これは面白くなってきた。妖と陰陽師は敵対するものだが、その中でも天狗と賀茂は、最も相性が悪い。
ふん、この事実を一番良いタイミングでバラしてやろう。確実に、凛は我が一族から拒絶される。そして、しろとも離される。その時のあいつの顔が見ものだな…。
僕は早くその日が来ないかと、とても待ち遠しくなった。
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