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第173話 最愛
俺は何度か銀ちゃんの唇を食んで、そっと離れた。
「うっ、にが…。銀ちゃん…、銀ちゃんがいない間、俺の身体、変だったんだ…。銀ちゃんを求めて辛かった。それって、やっぱりこの契約の印のせい?」
「そうだ。契約相手の俺が、定期的にお前の中に精を注いでやらないと、おまえの身体が俺を欲して堪らなくなる。そうなる事をわかっていて、契約を結んだ俺を恨むか?」
俺は、頰に添えられた銀ちゃんの手に擦り寄って、首を横に振る。
「ううん。だって、これからは俺がそうならないように、ずっと俺を満たしてくれるんでしょ?だからもう、俺から離れないでね…。俺の心も身体も銀ちゃんじゃないと駄目なんだから…」
「当たり前だ。もう二度と離れない。おまえが堪えた分も、目一杯、満たしてやる。だけど凛、知ってるか?俺もおまえが足りなくて狂いそうだったんだ。おまえに触れた今、もう我慢出来ない…。凛が欲しい」
「うん、俺も…。あっ、でも銀ちゃんの翼の手当てを…」
「凛、これも知ってるか?俺は、おまえを抱くと、身体の底から力が湧いてくるんだ。身体の至る所にまで、力がみなぎってくる。だから、おまえを抱いてるうちに自然と翼も癒えてくるだろう。早く、俺に力を与えてくれないか?」
「えっ、そうなの?じ、じゃあ…いっぱい、して下さい。それに、いっぱい、匂いをつけて欲しい…」
言ってるうちに、だんだんと恥ずかしくなってきて、視線を逸らせて俯く。
くすりと銀ちゃんの笑う声が聞こえたと思ったら、俺は押し倒されて、銀ちゃんに見下ろされていた。
ゆっくりと綺麗な顔が近付いて、唇を合わせる。銀ちゃんが俺を強く抱きしめると、激しく口内を貪り始めた。銀ちゃんの舌が俺の口内を動き回り、舌を絡めとる。俺はすぐにとろりと蕩けて、鼻から甘い声を漏らして身体を震わせた。
「んぅ…、ふっ、んぁ…っ」
激しく深いキスに息が苦しくなって、銀ちゃんの肩をそっと押す。銀ちゃんが、目を細めて俺を見つめながら、ゆっくりと離れていく。お互いの唇の間に銀糸が伸びて、ぷつりと切れた。
「…ん、ぎ、んちゃん…激しい…」
「おまえが甘過ぎるからだ。まだまだ足りない」
「はぁ…っ、ふふ…、俺もだよ…。ね、銀ちゃんのこれ、くすぐったい」
俺は手を伸ばして銀ちゃんの少し伸びた髭に触れる。掌に感じるザラザラとした感触が心地いい。
銀ちゃんが、俺の手首を掴んで指先にキスをした。
「監禁されてる間、おまえがどうしてるのかとそればかりが心配で、何もする気が起きなかったんだ。早くさっぱりした方がいいんだろうが、おまえを充電する方が先だ。これが当たると痛いか?」
「ううん、くすぐったいだけ。それに、肌に擦れると気持ちいいよ…。銀ちゃんて、どんな姿でもかっこいいね。ほんとに…大好き」
「おまえもどんな時でも可愛いが、もう少し太ろうか。きつく抱くと折れてしまいそうで怖い。俺が甘やかしてやるから、遠慮なく太れ」
「ん、じゃあいっぱい甘える」
笑って俺が腕を伸ばすと、強く抱きしめてくれた。そして耳朶をしゃぶりながら、俺の服を脱がせていく。
銀ちゃんは、俺の服を脱がせて自分の着物も脱ぎ捨てると、俺の首筋に顔を寄せて、順番に痕を付け始めた。
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