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第281話 番外編 かすみ草

白のTシャツに青色の七分袖のパーカー、スキニーのジーンズに着替えて家を出た。 銀ちゃんは、薄手の黒のセーターに、同じくスキニーのジーンズ。 同じズボンを履かれると、『足の長さの違いが目立つじゃんか…』と、つい恨めしく見てしまう。 そんな俺の視線に気付いて、ん?と目を細めて見てくる銀ちゃんに、『ま、銀ちゃんがかっこよすぎるからしょうがないか』と、俺も微笑み返した。 清忠の家には、宗忠さんと清忠、白様と倉橋、兄ちゃんと茜さん、それに浅葱も来ていた。俺と銀ちゃんも合わせると9人もの大人数だけど、通された部屋は、全員が座っても全然広い。聞けば、2つ並んだ12畳の和室の部屋の仕切りを取って使用してるらしい。 黒壇の大きな座卓を2つくっ付けて、その上に、和洋中の様々な料理が並べられていた。 俺は、銀ちゃんの腕を引っ張って、目を輝かせて座る。 上座に白様が座り、机の角を挟んで右側に倉橋、俺と銀ちゃん、浅葱が座った。 机を挟んで、倉橋の向かい側に宗忠さん、その隣に清忠、兄ちゃん、茜さんと並ぶ。 皆んなが座ったところで、各自飲み物が入ったコップを持った。宗忠さんの「卒業おめでとう」の言葉とともに、乾杯をして食べ始める。 俺は大好きな唐揚げをお皿に取ると、「いただきまーす」と大きな口を開けて、頬張った。 「んぅっ、こへ、ひょうががきいへへおいひい…っ」 「凛、ゆっくり食べろ。喉に詰まるぞ」 銀ちゃんにお茶が入ったコップを渡されて、俺はそれを受け取るとごくりと飲んだ。 「へへ…ごめんね。がっついちゃった。でもこの唐揚げ、すっごく美味しいよっ!」 「そうか。じゃあ食べさせてくれ」 「え?…もぉ、しょうがないな…」 俺は唐揚げを箸で掴むと、銀ちゃんの口へ入れた。 「ん、美味いな」 「でしょ?」 目を細めて咀嚼する銀ちゃんに笑い返して、そっと周りを窺う。皆んなは、俺と銀ちゃんの関係はよく知ってるけど、さすがに見られていたらちょっと恥ずかしいな…と横を見て、目を見張った。 白様が、倉橋に料理をお皿に乗せてあげてる! ーーえ?神様の使いだよね?結構、周りには偉そうな態度を取ってるよね?え?なんで倉橋には、そんなに甘いの? 俺が驚いて見てると、清忠も気付いたのか、口をポカンと開けて凝視していた。

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