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「あ、今日はみんなと一緒にいたんだ」
椛と共に船に戻ってきたウィルは、船員と戯れているオーランドをみるとそう言って笑った。安心した、そんなふうにウィルは目を細めたのだが、いつもと様子の違う彼にオーランドは気付いてしまった。目元が、腫れている。そしてウィルの後ろをついてきた椛の表情もどこか陰っていた。
「ウィル……二人で何を話していた」
「なんでもない。……そろそろ日没がくるから俺はさきに部屋に戻っている」
「……じゃあ、俺も一緒に」
「いや、今日くらいはみんなといろよ。船長だろ」
「……いい」
オーランドは立ち上がると、ウィルの手を掴んで船長室まで引っ張っていった。
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