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***  少し身体に気怠さが残っている。何度か身体を重ね、さすがに休憩をはさもうかとオーランドが横になっている隣で、ウィルは紙とペンを持ってぼんやりと考えこんでいた。 「ウィル……? それは?」 「ん……歌詞だよ。オーランドのつくった曲につける歌詞」 「へえ……どれ、」  オーランドは興味ありげといったようすで、ウィルを後ろから抱きしめるようにして紙を覗き込む。作った詞をみられるのは正直恥ずかしいと思ったが、どうせ最後にはみられるのだ、ウィルは隠すことなくそれをさらけ出した。 「……おまえ、結構綺麗な字を書くな」 「義父さんに字はしっかり教えていられたからな」 「ふうん……」  『I melt into the blue』からはじまるその詞に、オーランドは眉をひそめた。なんとも縁起の悪い……そう思ったのだろう。 「『Blue』って……海のことだろ。まるで人魚姫みたいなこというじゃないか」 「俺はマーメイドだからね」 「でもべつに、伝承みたいに泡になって消えるわけじゃないだろ」 「……そうだよ、俺は、人魚姫とは違って恋を叶えることができた」 「じゃあ、なんで」  ふ、とウィルは微笑んで振り返った。そしてオーランドに口付けをすると、穏やかに言う。 「……未来のおまえへの、ラブレター。いつかおまえがこれの意味がわかったら、俺は世界一幸せなマーメイドになるよ」

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