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追憶・絶望6
***
「……君、たしか群青だよね。柊の式神の」
柊の死から約二週間。京にある宇都木の本家にて、柊の葬儀は行われた。群青も参列し、葬儀が終了して放心していたところに声をかけてきたのは、真柴だった。
「ああ……はい、そうです」
群青は上の空で返事をする。まだ、柊の死の衝撃が抜けていない。本当に彼が死んだと、未だ信じることができない。
「もしよければ……宇都木の式神になってくれないか。君に、少しでも柊の側にいて欲しい」
「……はい、わかりました」
群青は真柴の顔も見ずに返事をする。真柴の言っていることは、正直どうでもよかった。柊の側……そんな都合のいい話。死んだ彼の側にいることなんて、もう二度とできやしない。
ただ、本当にどうでもよかった。今後の自分のことなどどうでもよくて、拒否するのが面倒だった。
「よかった……柊も喜ぶよ。よろしくね、群青」
「はい……よろしくお願いします……」
あっさりと群青は承諾する。それが、自分をどう狂わせいくのかなんて、知らなかった。
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