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***  家に帰ったメルは、なかなか寝付けずにごろごろとベッドの上で転がっていた。今まで我慢してきたのに、とうとうやってしまった。ノアへの想いが溢れに溢れて、あんなことをしてしまった。  男同士だし、相手は魔族だし。抵抗があったのに、あんなにも純粋に自分を愛してくれる彼のことを、どうしても突き放すことができなかった。好きになってしまった。罪悪感よりも明日ノアに会うことへの期待に満ちている自分が恨めしい。 (明日ノアとエッチするよな……)  どきどきする。ふたりきりで誰もみていないところでいたら、絶対そういうことになる。正直なところ、楽しみで仕方ない。ノアに触られると気持ちいいし、幸せな気分になるし……。でも、少し不安だ。最後まではまだしたことがなかったから。痛がったら気を使わせてしまうだろうな、とそう思う。 「……練習だから」  メルは指を舐めると、下着に手を突っ込んでそろそろと自分の秘部に指を這わせた。自分でここを弄ったことはない。いつもノアにどうされているんだっけ、と考えながらそこに指の腹をぴたりとあててみると、その窄みはきゅんっとしまった。 「んっ……」 (一人エッチなんかじゃないから……!)  ゆっくりと、なかに指を挿れていく。明日、ノアとするときに最後まで気持ちよくできるように。 「あっ……ん、……」  こわばるそこをほぐすようにして弄って、なんとか指を三本挿れることができた。ものすごくいやらしいことをしている気分になってきて、全身がじんじんしてくる。今のところそこまで辛くはない、ということに安心して、メルは指の抜き差しを始めた。 「あっ、あっ……」  ほんものを挿れられてピストンされたら結構激しく揺すられるんだろうな、と考えると、指の動きも激しくなってゆく。ノアにたくさん弄られてみつけたイイところをごりごりするように抽挿していけば、なかがきゅんきゅんと締まりだす。 「のあっ……あぁっ……ん、のあ……」  枕に顔をうずめ、腰を揺らしながら自分の後の穴を可愛がった。ノアのことを思いながらやると、すごく気持ちいい。 「んっ、んっ、んっ……」  ノア、好き。好き。  ノアに弄ってもらっている時と比べるとちょっと足りないな、と思いつつも快楽が徐々に蓄積していって、息が荒くなってゆく。明日ノアに処女を奪われるんだと思うと嬉しくてたまらない。ノアのことを考えて、指で何度も抜き差しをしているうちに……メルは達してしまった。 「んんっ……」  ぱた、とメルは力なく横たわって、はあはあと息を吐く。今までノアに弄られてきたせいか、あまり痛みもなくイクことができた。明日への不安はこれでとくにないかな、なんて思って安心する。  純粋な恋心だから。神様、許してください。  火照る身体と収縮を繰り返すあそこ。いやらしい身体とは裏腹に、メルの祈りは酷く純粋なものだった。 (明日楽しみだな……)  自慰をしたせいか、少し身体は気だるくて。ほんのりと襲ってきたまどろみに、メルは身をゆだねていった。

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