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「ん……」  ノアの手がメルの髪を梳く。いつもどんな風にメルに愛してもらっているんだっけ、と思い出しながら、メルはノアと舌をまぐわせた。拙い手つきで、ノアのシャツのボタンを外してゆく。ノアとキスをしていると頭のなかが真っ白になって気持ちよくて、なかなか頭がまわらなくて……そんななか、必死にメルは次の行動を考えた。次は…… 「ふ、っ……くすぐったい……」  ノアの首筋にキスをする。ちゅ、と軽く吸って、薄く痕がつくとなんだか嬉しくて、メルは何個もノアの首に痕をつけた。 「め、メル」 「あっ……ごめん」  たくさんついてしまった痕をみて、メルはつけすぎた、と思うと同時にぱあっと表情を明らめる。にこにことしているメルをみて、ノアは思わず吹き出した。 「いっぱいつけたね」 「だ、だめ?」 「いや? そんなことないよ」 「よ、よかった……俺も……つけられたとき嬉しかったから……」  わしゃわしゃと頭を撫でられながら、メルは愛撫を再開する。自分がされて気持ちよかったこと、嬉しかったこと……色々と思い出しながらノアに口づけてゆく。自分みたいにノアは反応しないんだな、と思うと自分が敏感すぎるのかな、なんて思って悔しくなった。頑張って色んなところをぺろぺろと舐めて、ノアに気持ちよくなってもらおうと必死になる。 「ノア、きもちいい?」 「んー、幸せ!」 「うー……ちくしょう」 「?」  なかなか難しい。しかたない、と思ってメルはノアのペニスに触れる。ここにがんばって奉仕すれば、さすがにノアだって良くなるだろう、そう思った。 「んー、メル、ちょっと」 「え?」  ペニスに口付けようとしたとき、ノアが軽くメルの頭を叩く。顔をあげれば、ノアがちょいちょいと指で自分の顔をさした。意図がわからずメルが首をかしげていると、ノアが笑う。 「メルのお尻、こっちむけて」 「……!」  え、と小さな声をあげてメルが顔をあげれば、ノアがはやく、と催促してくる。「もちろん服脱いでね」と言われ、メルはこれからやることを想像して、顔を赤らめた。  メルはゆっくりと下衣を脱いでゆく。じっと見つめられながら脱ぐのは、恥ずかしい。きゅ、と唇を噛んで、なんとか下だけを脱ぐと、そろそろとノアの顔に臀部を向ける。 「メルが俺の舐めてくれているあいだ、ここ、ほぐしておくね」 「……うん、」  ノアが指で、つうっと窄みを撫でる。その瞬間、きゅんっとそこが締まって、その動きをノアに見られたのかと思うと恥ずかしくなった。  自分たちがやっていることのいやらしさを考えてしまって、メルの体温がかあっと上昇してゆく。つんつんと後孔をいじられながら……メルも、ノアのペニスに口付けた。 「ん……あ……」  じわじわと快楽がせり上がってきて、腰が勝手に揺れてしまう。ノアの目の前で腰を振っている自分になんだか興奮してしまって、さらに身体が熱くなってゆく。  でも、されるがままではいけない。ちゅうちゅうとノアのペニスに吸い付いて、メルも必死にノアに奉仕した。口淫のやり方はよくわからない。でも、ノアのものを舐めるという行為自体に歓びを覚えて、メルは絶え間なくそれに口付ける。これで昨日たくさん奥を突かれたんだ、そう思うとまた、お尻がきゅんとする。 「メル」 「やっ……そこで、しゃべん、な……」 「俺の、おいしい?」 「……っ」  飴でも舐めるように、ぺろぺろとペニスを舐め続けるメルに、ノアは問う。メルはぼんやりと自分の唾液に濡れたペニスを見つめながら、また、先っぽに吸い付いた。特別味がするというわけではない……でも。 「……おいしい」  なんだか、もっと舐めたい。口のなかをこれで満たされたい。メルはうっとりとした表情で、ペニスを口の奥までいれてゆく。 「んんっ……」  顔を上下させて抜き差しをすると、ものすごく興奮する。すごく、いやらしいことをやっているな、という気分になる。  ノアもメルの後孔に、舌を這わせた。ぞくぞくっと痺れにも似た甘い波が這い上がってきて、メルの腰がビクンビクンと震える。メルのペニスからはつうっと透明な雫がこぼれて、ノアの胸元に水たまりをつくっている。がしりと尻肉を掴まれているためあまり腰を動かすことはできないが、メルは臀部をゆらゆらと振りながら、ノアのものに奉仕した。 「んっ……んん……」  気持ちよすぎて、くらくらしてくる。アソコを舌でいじくられていることによる肉体的な快楽も、ノアのものを咥えているという精神的な快楽も。なにもかもが、イイ。頭のなかで「好き、好き、」とノアに想いを叫びながら、メルは快楽に悶え続けた。 「は、あ……」  ノアのものが硬くなって、メルは身体を起こした。とろんとした顔で振り向けば、ノアがちらっと視線を合わせてくれる。メルの秘部も、ぐずぐずに濡れて柔らかくなって、準備ができていた。 「のあ……挿れて、いい?」 「うん。メル……俺の上に乗って」  はやく、ノアが欲しい。ノアを気持ちよくしてあげる、という目的はいつのまにかふっとんでしまって、メルは自分のことでいっぱいいっぱいだった。体勢を変えて、ノアの腹部にまたがる。そして、慣らしてもらったアソコをノアのペニスの先端にあてがった。 「んん……」 「メル……ゆっくり、」 「あっ……ん、……きも、ち……いい……あぁ……」  ずぶぶ、とゆっくりそれがなかに入り込んでくる。メルはのけぞりながら、それを奥へ奥へといざなった。最後まではいると、メルははあ、と満足気に吐息を漏らす。快楽に蕩けた瞳でノアを見下ろせば、ノアは瞳を眇め、じっと動きたい衝動に耐えている。俺が動かなくちゃ、メルはそう自分に言い聞かせて、ゆっくりと腰を動かした。 「あっ……あぁ……」  ゆさ、ゆさ、とメルが揺れる。ノアの胸に手をついて、慎ましく腰を前後に揺らした。俯いて、ゆらゆらと揺れていれば、ノアがメルの胸に手を伸ばしてくる。乳首をきゅっと摘まれて、メルはぐっと仰け反って儚い声をあげる。 「あぁっ……!」 「もっと、動ける? メル」 「の、あ……がんばる、がんばるから……」  メルが上下に腰を振る。そうすればズンズンと深い衝撃が奥へ奥へ響いて、メルは髪を振り乱しながら悶えた。  ぱちゅ、ぱちゅ、と水っぽい音、それからギシギシとベッドの軋み。 「のあっ……あぁあっ……のあっ、あっ、あっ、……だめぇ、もう、……あぁっ……!」  メルのなかがぎゅうぎゅうとしまりだす。激しく腰を振って自らを追い立てるメルをみつめるノアの目が、情欲に溢れだした。ノアは体勢を変えて、メルを押し倒す。ぼふ、と勢い良く背中からベッドに着地したメルは驚いたような顔をしたが――次の瞬間襲ってきた身体を貫くような凄まじい快楽に、はじかれたように身体を跳ねさせた。 「はぁんっ……! あぁっ、あっ、あぁあっ……!」  パンパンと肉のぶつかる音が激しくなる。ノアは張り詰めた我慢がプツンの切れたように、勢い良くメルを突いた。 「メルっ……」 「あぁっ、だめっ、だめっ、イッちゃう……! のあ……!」  ノアが唇を塞ぐと、メルの身体が大きくのけぞる。構わずガツガツと奥を突けば、メルは鼻からぬけるような声を漏らしつつ、小さく身体を震わせて達してしまった。  なかがキツくしまって、ノアはく、と眉をよせる。強い快楽を更に求めるように奥を突き続けて……しばらくした後に、ノアも中にだして達した。 「のあっ……!」  メルはぎゅっと目を瞑ってノアを抱きしめる。ノアが落ち着くまでしばらくピストンを繰り返せば、「ん、ん、」とメルは甘い声を出し続けた。 「のあ……ごめん、俺ばっかり気持ちよくなって……」 「えー? 俺もすごく気持ちよかったよ」 「本当? よかった……ノア……好き」 「俺も、好き。メル……」  イッてからも、しばらく挿れっぱなしで抱きしめ合った。キスをして、色んなところを触り合って……本当に幸せだ、とメルは思った。

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