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第10話 愛にまみれて -1-
天蓋ベッドで七体の"俺"人形に囲まれて、発情状態で俺のベッドで眠る番。
"俺"の個数はマチマチだが、最初、意味が分からなかった。
でも、今は分かる。
「―……今回の巣は俺を七体も住まわせてくれたんだ?」
「うん!」
―……俺の質問の返事の相手、手芸部所属の『指峰 天衣 』……俺の寮の同室者。
オメガバースが存在するこの世界で、アルファである俺の運命の番のオメガ。
俺が愛する者だ。
……この学園は"番"が存在すると、同室に配置してもらえるシステムがあるのだ。
ただしこの申請は"事前"……"春休み中"にしないと出来ない。
しかし、この状況……
―……白雪姫みたいだな。
そんな感想を脳内に浮かべながら、俺は布団をはいだ。
すると俺の行為に反応して、天衣が瞳を開いたのだが……
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