このピアスは後は真樹の耳に『牽制』用に着けて貰う。 強力磁気使用の穴が開かないタイプだから真樹も気軽に常に数個着けてる。 まぁ、俺が身近に居るようで安心するとも言っていたな……。 実際、俺が上げたピアスを着ける様になってから、電車での痴漢や後を着けられる事が無くなったそうだ。 ……俺と真樹の出会いは、真樹の匂いに釣られて辿った先で強姦に遭いそうになっていたのを手近な小枝で助けたのが切欠だからな……。 一応、師範資格のある俺。強姦野郎をピシャリと伸し、番を救ったのだ。 こんな状況で無性に惹かれあった俺達は後日再び会い、落ち着いた中でお互いが『運命の番』だと匂いで分かったのだ。 そして俺達は両家に速攻で報告し、同棲を許された。 同棲が素早く許されたの大きな決め手は、俺が由緒有る剣術道場の師範資格を持つ跡取りで、真樹を素早く無傷で助けたからだ。 真樹の両親は両方ベータだが、オメガ性として生まれた息子が幼い頃から遭っている様々な被害に怒りと心を常に痛めていたのだそうだ。 ベータの御両親からすれば、アルファの俺に常に護られる状況に居た方が安心出来ると感極まって泣く勢いで喜んでいた。 ……まぁ、そんな経緯があっての同棲。 コリコリくにゅくにゅと自分でピアスごと乳首を弄るのに夢中な真樹を、巣に組み込まれて敷かれた俺の寝具のマットに仰向けに寝せる。 俺は畳の上にマットを敷いてその上に布団を用意し、起きると畳む派なのだ。