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第32話 Made in Hotel SSS -9/E-
―……男の子はお母さんに似る……って聞くし、僕達の息子は将来秋陽さん似の凄い美人さんになると思うんだ!
「ふふふッ! バース性はアルファ……オメガ……どっちでも良いかな!」
「だぁ? あぶぅ~~」
アルファとオメガから生まれた息子はベータにはならないから、どっちかだ。
僕を見上げてじゃれ付きたそうな息子の秋世 に、僕は人差し指を近づけた。
すると目の前に出した僕の指を小さな五指で握り、口元に引き寄せて息子がちゅぱちゅぱし始めた。
僕はそれを見て、秋陽さんに「秋世くんが、おっぱい欲しがってるよー!」と声を掛けた。
そして僕の目の前で息子の秋世におっぱいをあげる秋陽さんの、空いている右の乳首からしみ出す母乳を指で濡らし舐めたら真っ赤な顔でチョップされた。
「もう! 世良くんは後にして下さい!」
「! 後!! "後"なら良いんだ、秋陽さーん!」
秋陽さんの言葉に僕は抱き付いて、秋世がんくんくと母乳を一生懸命飲むのを見てほっこり。おっきくなれよー!
―……ね、秋陽さん、僕さ、次のメレンゲドール、早く欲しくなっちゃった! 僕の白い砂糖、秋陽さんが作った巣の中でたくさん食べてくれる?
秋陽さんに抱き付きながらそう囁けば、耳まで真っ赤にして"コクン"と頷いてくれた秋陽さん。
可愛いから耳をはむはむして、舌で耳穴をくちゅくちゅしたら「調子に乗るな!」と再びチョップされ、後方に控えていた玖音から
「……社長室でいちゃつくなバカ夫夫 ……」
と、緩く笑いながらどこか諦め混じりの声が……。
もう! いーじゃん! い――じゃん!! 新婚なんだからさぁ!!!
僕はそんな玖音に子供じみた感じで「イ~~~!!」と歯を出した顔を向けた。
―さて、
……僕の経営するホテル『シュガーシュガーシロップ』は完全紹介会員制・カップル限定・完全予約・発情期が伴う長期宿泊可能な、オメガに優し~いホテルを目指してる!
愛称『SSS 』と呼ばれ、会員様達のお陰で緊急部屋以外の部屋の予約は結構先まで埋まっている。
今日もそれぞれの部屋で誰かがメレンゲドールを作っている……かもしれない。
―プ……プルルル……プルルル……
おっと、事務の方から電話音が……誰かが話し始めたみたい。予約かな?
それでは僕も社長業に戻りますので、この辺で失礼しますね!
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