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第51話 蒐集Ω -4-
僕と伊宮先輩は中学と高校がエスカレーター式の学校に通っている。
僕は高校に上がってから練習に試合にと顔を出していたら、何と水泳部の皆さんに顔を覚えられて……。
先輩から「毎回来てくれるなら、良かったらマネージャーにならないか?」と誘われたんだ。
中高一貫の男子校だから、女子マネとか居ないし、僕は頷いて速攻でマネージャーとして水泳部に入部した。
放課後や部活の連絡等で水泳部部長の伊宮先輩に堂々と話し掛けられる事に、僕は毎日が楽しくてしょうがない。
しかも先輩は僕の事を「悠真」と名前で呼んでくれるんだ!
もーね、も~~~~ね、ニヤニヤニヨニヨが止まらないんだよ――!!
そして僕はある日、宝物をゲットしたんだ。
うん、それはね……
先輩使用済みのスポーツタオル!!!
ボロボロで「捨てといてくれ」と先輩が僕に託したコレを、「処理しておきますね」と笑顔で受けて素早く回収したのだ。
うん、流石に物凄い変態だと思うよ。
でも、漂ってくる先輩の匂いに、抗う事など出来なかったんだ!!!
捨てられる物だもん。個人で楽しむんだもん……変態行為だけど、そっと許して欲しい……。
行き過ぎたオメガの性だと……!
とりあえずそのままでジップロックに入れて、枕の下に敷いている。
先輩の夢イベントが脳内で起きろと毎夜願ってから就寝している。
……効果は……うん、所詮、夢、だよね。
そして、マネージャーになった僕のはとっても大事なお仕事を伊宮先輩から毎回言い付かる。
「悠真、ウェア温めといて」
いつも先輩はそう言って練習や試合に向う前に僕に着ていたウエアの上を着せて 、コースへ歩き出す。
「先輩おっきいからブカブカだ……」
呟いて、密かに鼻をヒクヒクして先輩の匂いを吸い込んで、チャージ。
良い匂いにホワホワと心が温かくなって、落ち着く……。
先輩、大好き。
はぁ……どうしよう……? 何だか今日はいつもより身体がだるい……。
僕の発情周期が近いからかな。
今回は数日前倒しになりそう?
実は僕はオメガとして目覚めた身体がまだ浅く、発情周期がまだ安定していないのだ……。
「……これで良し、っと」
僕は家に帰ってから速攻で自分のベッドの上に先輩の古着でオメガの巣を作った。
こうして準備しとけば、楽だし大丈夫だよね。
そして僕は翌日…………先輩の目の前でヒートを起こしてしまった。
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