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「……あんまり、じろじろみないでください」 「……やだ」 「ハルさま、……あ、あ!」  初めて見たラズワードのそこに、ハルは僅か息を飲んだ。自分と同じ男なのに綺麗だ、と。ぞわ、と内側から隅々まで口付けたい舌を這わせたい、そんな欲求がこみ上げてくる。しかし、ハルはぐっとそれを飲み込んだ。初めてのセックスであまり過ぎたことをしてはいけないような気がしたから。二人で気持ちよくなりたい、そう思ったらから。ハルはラズワードのたちあがったものに指を這わせる。そして優しくそこを掴むと、ゆるゆると手を上下に動かす。  びく、びく、と揺れ動く腰に、ハルは少しずつ手の動きを早めてゆく。声を押し殺しながら懸命に快楽に耐えるラズワードがたまらなく愛おしい。腕で顔を覆い、同時に口元を抑えて。今までそんな恥じらいなんてなかったくせに、今更になってこんなに恥ずかしがって。 「ラズワード……声、だしてよ」 「や……あっ、だって、……ん、」 「だって? 俺にラズワードのこと全部教えてほしいよ。その可愛い声も、全部」 「んっ……ひゃ、あ……!」  親指で、ぬるりと先端をなぞった。そこはもう雫がつたっていて、濡れていた。そこを刺激した瞬間ラズワードの腰が大きく跳ねたから、思わずそこを虐めたくなったが、なんとかその衝動を堪える。ハルは中指にそれを塗りたくると、ゆっくりと手を動かし、そして後腔の入り口に指を添えた。 「あっ……」 「……指、いれるよ」  先走りで濡らした指はつぷりと音をたてて中へ入ってゆく。奥へ進んで行く度にラズワードはため息のような甘い声を漏らし、体を震わせた。 「……すご、」  男を抱くのが初めてだったハルは、衝撃でそこから目をそらせなかった。本当に入るんだ、と妙な感動を覚えた。本来いれる場所ではないはずの穴。しかしそこは物欲しげにハルの指を飲み込んで、中でぎゅうぎゅうと締め付けてくる。怖いくらいに、いやらしかった。ひくひくと収縮するそこは、確かに男を欲しがっていた。 「……締め付け、すごいんだけど……ラズワード、感じてる? 大丈夫、痛くない?」 「……、いたくない、です……ごめんなさい、ハルさまに弄られてるっておもうと……すぐ、いっちゃいそうで……」 「……あんまり、煽らないで……俺、我慢してるんだよ……」 「がまんなんて、しな……あっ! や、ハルさま、きゅうに、なにを……ひゃ、あぁあ!」 「……気持ちいいとこが、あるんだよね。どこかなって思って」  ぐり、と中を探るようにハルは指を動かした。指を曲げたり、掻き回したりすればラズワードが大げさに身体を跳ねさせてのけぞらせた。シーツを掻き、身をよじり、かくかくと腰を震わせて。耳をくすぐる卑猥な音に、二人の心が揺れてゆく。 「あっ、あぁッ、ん、」 「……エロ」 「ぅ、まって、ひゃ、はるさ、ま……! こえ、でちゃ、……あぁあっ!?」 「……ここ?」  小さく膨らんだ場所に触れると、ラズワードの声が一層高くなった。ここがいいところなんだ、そう理解したハルは指を増やしてそこを攻め始めた。そこが指を飲み込んで、ひくひくと動いている様子に眩暈を覚える。たまらず指に力を込めてしまって、ラズワードが切羽詰まったような声をあげた。 「あぁ、は、ぁあ……っ! や、だめぇ……っ」  その声が、その乱れる姿が。恐ろしい情動へとなって、ハルの中を侵食してゆく。ラズワードへの愛しさと欲情がせめぎ合って、狂いそうになってゆく。 「……ラズワード、」 「あぁっ……」  ハルが指を引き抜くと、ラズワードは切なげな声をあげる。満たしていたものが無くなって寂しいと言わんばかりのその儚い声が、ざわざわとハルの心を撫で付ける。 「……いれたい」 「……、」 「いれて、いい……?」 「……はる、さま」  はあはあと熱い吐息を唇から零しながら、ラズワードは熟れた瞳でハルを見上げた。ハルはシャツを一気に脱ぎ捨て、下も全て体を隠すものを全て取り去った。自分よりもいくらか芳しい肉体が、月明かりに照らされる。かっと体が火照ってゆくのをラズワードは感じた。 「……っ、」  ハルがラズワードの体の傍に手をついて、見下ろす。ラズワードはなぜかハルのことを直視できなくて、目をそらし、激しく高鳴る胸をおさえた。 「ん、んん……っ」  ハルの硬くなったものの先端が、ラズワードの後腔に触れる。じわ、と熱だけが中に入ってくるようでラズワードは堪らず体を強張らせた。それはやっぱり大きくて、これがはいってくるのだと考えただけで飛んでしまいそうだった。 「いれる、よ……」 「……はい、」 「……すごい、ドキドキする」 「はるさま……」  ず、と痛いのか痺れているのか、甘いのか気持ちいいのか。わからない感覚が下から這い上がってくる。 「き、つ……」 「あ、んぅ……っ、はるっ……さ、ま……あ、つい……」  は、と追い詰められたかのようなハルの吐息がラズワードの耳に届く。眉を潜め、汗を伝わせたその顔で、自分を見下ろしている。ぞくぞく、と言いようのない熱がラズワードの中から溢れ、零れてゆく。普段はなかなか見せない、そのハルの表情が痺れるくらいの色香を漂わせていた。 「んん、あ、ぁああ……っ、く、る……」  ラズワードはぎゅっとハルの腕を掴んだ。身体を仰け反らせ、震わせ、下から這い上がってくる快楽の渦に飲み込まれないように必死で耐える。奥へ、奥へ。身体を突き抜けるような熱。初めて繋がった、貴方と。それが根元まで入って、ハルの腰骨が打ち付けられたのを感じた瞬間、ラズワードは全身の力を抜いて、とろんとした目でハルを見上げた。

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