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「う……」
「あ、ラズ……」
朝の日差しで目を覚ますと、ラズワードは全身の痛みに眉をひそめた。焦ったような声が聞こえて顔をあげれば、ハルが泣きそうな顔でみつめている。
「ラズ……ごめん、昨日……やりすぎた」
「え?」
「起きちゃうかなって思ってはずさなかったけど……これ、すぐ外すから」
つけっぱなしになっていた首輪に手をかけられて、ラズワードは黙りこむ。しかしじゃら、と鎖が鳴る音と同時にラズワードはハルの手を払いのけた。
「……もうちょっと、付けてて、ハル様」
「えっ……? じゃあ、せめて手錠の方……痛いだろ?」
「それも、はずさないで」
戸惑うハルに、ラズワードは擦り寄る。
「……ハル様……抱きしめてください」
手錠のせいで、ラズワードはハルに抱きつくことができない。だから、そう頼む。ハルは不思議そうな顔をしながらも、ラズワードを抱きしめてくれた。ぎゅ、と大事そうに抱かれて、ラズワードは心地よさげに目をとじる。
「ハル様……俺、ずっと……ハル様のものですからね」
「ラズ……」
「ん、……」
唇を重ねられ、ラズワードは甘い声を漏らす。
どうか――このまま、この幸せが続きますように。最近ずっと胸のなかに渦巻く不安を、この首輪が慰めてくれる。身動ぐたびになる鎖の音が心地よい。
「絶対、離さないから……ラズ」
「はい……!」
まずは、今日のレグルス。ラズワードは、その、ハルの勝利を祈る――
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