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 ゆっくりと、貞操帯のベルトが外されてゆく。アナルに挿さったディルドが動いたのを感じて、ラズワードは「あ……」と声を漏らした。ぬぽんっ、と完全にディルドが抜けると、ラズワードはびくんっと身体を震わせて、「ぁんっ……」と甘い声をあげる。 「今日一日付けていただけなのに、すごいことになっているね」 「あ、……」  外された貞操帯は、ぬらぬらと濡れていた。ラズワードのペニスからあふれ出した蜜である。ハルに濡れた貞操帯を見せられて、ラズワードはかあっと頬を赤く染め、目をそらす。 「濡れやすいんだね、女の子みたい」 「……っ、みないで……」 「うん? 俺はラズの主人なんだから……ラズの身体のことはきちんと知っておかないと」  ようやくハルに抱いてもらえると期待に胸を高鳴らせ、ラズワードは腹の奥がきゅんきゅんと疼くのを感じた。はやく抱いて欲しい、と懇願するようにハルを見つめれば、ハルはふっと微笑んでラズワードの頬を撫でる。 「さ、ラズ。これからエッチなことたくさんしてあげる」 「あ、あ……」  ハルはラズワードの腰を抱き寄せると、堅くなったペニスをラズワードの下腹部に押しつけた。ずりずりと腹の上をペニスで擦られて、ラズワードはがくがくと脚を震わせる。 「あ、あぅ……」 「見て、ラズ。俺の、いつもどこまで届いているのか、わかるでしょ?」 「あ、あぁ……こんな、ところ、まで……」 「そうだよ。これから、これがラズワードのナカにはいるからね」 「あ、あ、あ……はやく……はやく、ください……ハルさま……」  ずっと欲しかったモノを下腹部に押し当てられて、ラズワードはたまらない気持ちになった。ハルのペニスの先端は、ラズワードのへその直ぐ下に達している。いつも、ここまでハルのものが届いているのかと考えると、自分の体がどれほど彼に征服されているのかと悦びで胸が満たされた。  ナカが熱くて、熱くて、濡れるはずがないのに濡れているような心地になる。じゅわ……と熱があふれ出て、自分が本当に女になってしまったのではないかと錯覚を覚えるくらいだ。 「あっ……」  視界が反転して、ラズワードは思わず目を見開く。ベッドに押し倒された、と気付いた瞬間、期待のあまり顔が熱くなってしまった。「早く抱いて」「早くいれて」「めちゃくちゃにして」――たくさんの欲求があふれてきて、自分を見下ろすハルに何を言えばいいのかもわからなくなり、はくはくと唇を動かすことしかできない。 「ぅんッ――……!」  ぐぐ、とペニスの先端を穴のいりぐちに押し当てられる。さんざんバイブレーターにいじめられたラズワードのアナルは、すっかりふやけてグズグズになっていた。きゅうきゅうと先端に吸い付いて、押し当てられたペニスを抵抗もなく飲み込もうとする。 「ねえ、ラズ」 「はい……、はるさま、」  「俺のこと、好きって言ってよ」  ペニスの先端が少しだけナカにはいってくる。あまりの気持ちよさにナカがきゅーっと締まってゆくが、ペニスはそれ以上はいってこない。ナカがさみしさのあまりヒクヒクと収縮しているが、ハルは最後までいれてくれなかった。  ラズワードは、とにかくハルに抱いてほしくてたまらなかった。太い肉棒でナカを満たしてほしかった。一日中焦らされた身体を、たっぷりと甘やかしてほしかった。  だから、ためらいもなく言う。 「好きっ……ハルさまっ……好き!」 「……ラズ、俺も好きだよ」 「――ッ、あぁぁぁああああっ!」  好き、と言った瞬間。ズン、と勢いよく熱いモノに貫かれる。  頭が真っ白になるような快感。何もかもが吹っ飛んでしまうような多幸感。ほしかった、ずっとこれがほしかった――うれしさのあまり、ラズワードは絶頂してしまう。 「あっ、は、ぁっ……はぁ、……」 「挿れただけでイッたの? 可愛い……。ラズ、もっと好きって言ってくれたら、いっぱい突いてあげる。ねえ、ラズ……」 「は、はる、さま……」  奥のほうがずぐずぐと熟れている。もっと、もっともっと突いて欲しい。その大きな彼の身体に組み伏せられて、押さえつけられながら、獣のようにぐちゃぐちゃに求められて、そして、ナカにいっぱい射精してほしい。彼のものにされたい。  頭がぼんやりとして、本能だけが心を満たしている。ラズワードはぐいぐいと結合部を揺らしながら、「はるさま、好き」と囁いた。 「んぁああぁぁぁあっ――!」  ズンッ! とまた深いところを突かれる。  ああ、「好き」と言えば……いっぱい突いてもらえる。セックス、してくれる。 「はるさまっ、好きっ、好きっ……!」 「ラズ……俺も好きだよ、」 「ぁんっ! あぁっ、おくっ、奥ぅっ、もっと……もっと、奥突いてっ……はるさま、好きぃっ!」 「もっと言って、ラズ……」 「ぁあぁああっ! そこっ、そこだめっ、すきっ、はるさま、すきっ、あっ、イっちゃう……!」 「イくときも俺を好きって言わないとだめだよ、ラズ、」 「あっ、イくっ、イクッ、あぁあッ――ハルさまぁっ……好き――ッ!!」  身体が激しく揺さぶられるほど、ズンズンと深いところを突き上げられた。あまりの快楽に身体が暴れそうになっても、腰をがっしりと掴まれて、あの太い肉棒で最奥を貫かれる。「好き」と言えば言うほど気持ちよくしてもられるので、ラズワードは中毒になったかのように「好き」と言い続けた。 「好きぃっ! 好き! はるさまぁっ! 好きッ……! ぁあっ、またイクっ! 好きィッ――!!」 「はぁっ……永遠に、俺のこと、好きだよね、……ラズ、」 「はいっ、はるさまっ、ずっと、好きですっ……――ぁあああッ! そこっ、そんなとこ、まで、はいらなっ……あぁっ! すごいぃぃっ――!! イく――ッ!!!!」  夜になっても、電気もつけずにずっとセックスをし続けた。真っ暗な部屋の中、虚ろに微笑むハルだけがぼんやりと見える。  「好き」と言うと、彼は嬉しそうに目を細めた。そして、ご褒美をくれた。だから、ラズワードは何度も彼に「好き」と言う。たまに、ハルが悲しそうな表情を浮かべたが、そんなことには気付けなかった。

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