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氷の刃がきらめいている。血に濡れてもなお美しいその刃は、彼の魔力によって作られたもの。
『ハル様……』
ラズワードが振り向く。魔獣を一閃で倒した彼は、何事もなかったようにハルを見つめている。
――ああ、この光景は。
忘れるはずもない、ハルがラズワードに惚れた瞬間のあの景色。凜々しく、美しく、鋭い、まさしく氷の刃のような彼にハルは惚れたのだ。
「――ハル様」
自分の名を呼ぶ声を聞いて、ハルはハッと目を覚ます。
いつの間にか、うたた寝していたらしい。ハルは額を抑えながらじろりと周囲を見渡す。そうすると、ハルの足下に膝立ちに座り込むラズワードがいた。
「ハルさま……」
この別荘に来てから、もう一ヶ月経つ。当初の予定の一週間はとうに過ぎているが、「この」状態のラズワードをレッドフォード邸に返すわけにはいかない。とはいえ、ハルも仕事が溜まっている。ラズワードはずっとこの別荘に滞在してもらって、ハルはレッドフォード邸と別荘を行き来する生活を送っていた。
ラズワードは、本来の姿の見る影もなく淫靡な性奴隷のような人間になってしまった。媚薬の過剰投与、昼夜を問わず続く快楽の責め苦、外部との接触を完全に断たれた空間。この環境がラズワードの人格を完全に壊してしまっていたのである。
「ハルさま……もう、苦しいです……はやく、お情けを……」
「……」
ハルの脚の間に座り込み、うるんだ瞳で見上げてくるラズワード。彼の下腹部には、バイブレーター付きの貞操帯が取り付けられている。今も、太いバイブレーターがラズワードの秘部を刺激し続けているのだ。
「はるっ、さま……ん、……んぅ……あっ、はるさま……はるさまぁ……」
ラズワードは腰を浮かせ、腰をゆらゆらと動かし、身体をくねらせながら喘いだ。無意識なのか自らの乳首をつまみ、頬を赤く染めて自慰をしている。
あまりにも淫らだ。このような姿は、誰にも見せられないだろう。ここまで調教してやったのだという達成感が沸いてくる。彼は、もう絶対に誰のもとにも行かない。ハルに依存し、ハルにすがりつき、ハルのもとでしか生きられない人間になる。
――それで、いいのか?
「ラズ」
「はい……」
「……」
ハルは奥歯をかみしめた。
――いい、これでいい。ラズワードを絶対に失いたくない。
――ラズワードは俺のものだ……!
「ほら、ラズ」
「あ……」
ハルがラズワードの後頭部を掴む。そして、ぐっと自らの股間にラズワードの顔を押しつけた。そうすればラズワードの顔は真っ赤に染まり、息が荒くなってゆく。ラズワードはじっと懇願するようにハルを見つめて、唇をハルの股間にすりすりと擦りつけた。
「待てだ、ラズ」
「う、……はるさま……はやくぅ……」
「こら、ラズ……待て、は犬でもできるぞ。おまえは犬以下か」
「んっ――!?」
――ブブブブブブブ!!
ラズワードの中のバイブレーターが激しく震えた。こうなると、ラズワードは耐えられなくなってしまう。四つん這いになってグッと背中を反らせながら、腰をビクビクと揺らした。貞操帯で押さえつけられているペニスからどばどばと潮を垂れ流し、泣く獣のような悲惨な声を上げて、見事に絶頂してしまう。
「あ、あああ、ああっ、あっ、あっ、あぁぁあぁぁあ!」
「言うこと聞かないとお仕置きっていったでしょ?」
「ごめんなさいっ、ごめんなさいいいい! とめてっ、とめてぇっ、はるさまぁっ、ゆるしてぇっ!」
「ごめんなさいって言っているのに、気持ちよさそうにしてるんだね」
「ごめんなさいっ、イッてごめんなさいっ、はるさまぁっ!」
「ゴメンなんて思ってないでしょ? ほら」
「アッ!」
ハルはしゃがみこみ、ラズワードに目線を合わせてやる。そして、四つん這いになった彼の胸元に手を伸ばし、ぎゅっと乳首を引っ張った。そうすれば、ラズワードはまた背中を弓反りにして、情けない声をあげる。涙をぼろぼろと流しながら、昇天してしまうのだった。
「あぁあ、あぁ……イく、イく、イく……」
「んー、怒られながらイくなんて、悪い子だねえ」
「あぁッ! あぁー……!」
乳首を引っ張りながらグリグリとこねると、ラズワードの唇から唾液がこぼれる。理性も何もかもがなくなって、ラズワードは発情した獣のように腰をカクカクと揺らしながら声を上げていた。
「あぁっ、うう、うぅー……」
「ああ、泣いちゃって……ごめんね、いじめすぎたね」
「はる、さま……」
ハルがぱっと手を放すと、ラズワードは濡れた瞳でハルを見つめる。まだ、唇からはハア、ハア、と息が零れている。まだナカではバイブレーターが暴れているのだから仕方ない。ハルを見つめながら、「あっ、ンッ、」と声を漏らしている。
ハルは立ち上がると、ラズワードの背後に回る。バイブレーターのスイッチを止めて貞操帯を外してやれば、ポッカリと空いた穴がひくひくと疼いているのが丸見えになった。ラズワードはわざとなのか無意識なのか、く、と尻を突き出す。
「はるさま……いれて……いれてください……からだ、あつい……」
ラズワードが両手で自らの尻肉を掴み、ぐぐっと左右に広げる。穴が引きのばされて、少しばかり形を変えた。その状態で尻をゆらゆらと振る彼の姿は、淫乱以外の何者でもない。
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