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繋がる
完全に脱力してしまった鉄平を布団に横たえた。
覆いかぶさるようにして、脚を開かせ後孔に指を入れて、志狼を受け入れる準備をする。
「あっ! ああ、だ、め。それ……だめぇ」
「駄目じゃない。ほら、タマのいいところだ。覚えてるか?」
ゴツゴツとした男らしい指が、前立腺を押し上げた。
「あぁあああ!! うっ、うっ……ふぅ、あ」
また鉄平が向日葵のような瞳から涙を溢した。
相変わらず、そそる泣き顔と鳴き声だった。
志狼は早く挿りたくて、指を三本に増やして、回しながら出し入れをする。
「ぁあ! ぃや……は、ああ!」
唾液でびしょびしょの鉄平のアナルから、ぐぷぐぷと卑猥な音がした。
志狼は、ちゅ、ちゅ、と鉄平の頬や首にキスを落とす。
「……早く入りてぇな」
低く、色っぽい雄の声で囁く。
「んんぅ……あ!……ね、入れるの?……また、いれんの?」
鉄平の幼い言い方に、志狼の唇に微笑が浮かぶ。
「ああ。奥まではめてやる」
ぐぐっと揃えた指を奥まで突き入れた。
「ヒッ───! あ、あぁあ……ッ!」
鉄平は仰け反り、しなやかに身もだえた。
志狼はゆっくりと指を抜いて、小刻みに震える脚を抱えた。
トロトロになったアナルに、凶悪なまでにそそり立った強直を当てた。
「は、はぁ……あ!」
ゆっくりと挿入していく。
「あぁああ……あ、あ、あっはぁ! 待って!……あぅ、し、ろう……まってぇ」
「待てねぇよ……息しろ。タマ」
ぐ、ぐ、と熱いペニスを沈めていく。
「ハァ、ハッ、あ!……む、りぃ……おっきぃ……あ! 苦しいよ……やめてぇ」
ゆるゆると首を振り、「大きい」「苦しい」と哀願する鉄平は、尚更に雄を煽った。
「あっ! あぁあああっ!!」
志狼の雄は狭いアナルにゆっくりと侵入し、がっちりと熱い雄を飲み込ませた。
志狼の雄に貫かれた瞬間に、鉄平は射精してしまった。
「あぁあ……はぁ、は、う……は」
絶頂の余韻に鉄平はヒクヒクと震えている。
内壁はうねるように、ヒクついて志狼の剛直を包んだ。
志狼は微かに唸るような声を出し、突き上げたいのを耐えて、鉄平の息が落ち着くのを待った。
「は、は……ふぅ……あ」
「入れられただけでイッちまったな」
「やだぁ……」
鉄平が恥ずかしげに片腕で顔を隠した。
「あっ」
その腕を掴み、恥じ入る顔を晒す。
羞恥に真っ赤になり、涙目で志狼を見上げた。ひどくいやらしい顔をしている。
志狼は鉄平の指と指を絡めるようにして手のひらを合わせて押さえ込み、腰を蠢かしはじめた。
「あっ……はぁ! んんっ……!」
鉄平の顎が上がり、高い喘ぎ声をあげた。
志狼は鉄平の顎先を舐めて、耳の付け根にキスを落とし、首筋に顔を埋めて腰を使った。
ゆっくりと、ネットリと……腰を回すようにして、お互いの性感を高めていく。
「あっあ、あ、あぁあ……はぁ、ふ、う……あ!」
鉄平が志狼の手をぎゅっと握るようにして、感じ入った声をあげる。
「……ああ、気持ちいいな。タマ」
ねちっこい腰使いで責められて、鉄平は体の奥に再び熱が灯るのを感じた。
鉄平は性的経験が無かった。
全て志狼が初めてだ。
初めての時のように、嵐のように抱かれるのではなく、焦らされた後でネットリと責められて。
じわじわと湧き出る快楽の泉に浸るような感覚にもどかしく身悶えた。
「ぅあ、はぁぁあ……あ、ぅん……あ」
真綿で首を絞めるような快楽に、鉄平は甘い声をあげ続けた。
「う、あぁ……あ、あ……しろぉ……」
ぬるま湯のような快楽に物足りなくなり、鉄平が志狼の名を呼ぶ。
「し、ろう……あ、あ」
「ん?」
志狼は唇が触れそうなくらいの距離で、鼻先を擦り合わせた。
「しろう……しろう……あ、ん」
「……どうした? タマ」
蕩けるような甘い声で、志狼が聞く。
「う、ごいて……」
「動いてるだろ」
鉄平がふるふると首を振った。
「ちがう……は、ぁ」
鉄平が潤みきった瞳で、志狼を見つめた。
縁が緑で、中心の黄色に溶け合うような色をしている。
瞳の真ん中に向日葵が咲いた、きれいな瞳だ。
志狼は初めて会った時から、鉄平の瞳の色が好きだった。
「ほら。タマ、言ってみろ。なんでもしてやる」
「あ、もっと……」
「うん?」
「つ……つよく……して」
鉄平の可愛らしいおねだりに志狼はたまらない気持ちになった。
乞われるままに、グッと突き上げた。
「あぁあッ!!」
鉄平の肩を抱くようにして、二度、三度と強く突き上げる。
「ぅあ! あっあっ……はぁあ」
「気持ちいいか? タマ」
「ぁあ! き、もちい……あ、んぅ」
「タマ……」
志狼は体を起こし、鉄平の華奢な脚を抱え上げ、ガツガツと責めはじめた。
「あ! うぅん……あぁあああッ!」
鉄平は我を忘れて、高い喘ぎ声を上げ続けた。
「あぅ! あっあっあ!……はぁああっ!」
パンッパンッと、肉と肉がぶつかる卑猥な音が響いた。
柔らかな体を猫のようにくねらせて、鉄平は無意識に志狼の動きに合わせた。互いの快楽が更に高まっていく。
「う、う……ふ、ぅ……はぁああ……」
鉄平は快楽に涙を零し、震える指先で布団を手繰り寄せ、戦慄く唇から切ない鳴き声をあげた。
志狼は鉄平を抱き上げ、対面座位から騎乗位の体位になった。
「あ!? や……やぁ、ん……あっ! あっ!」
仰向けになった逞しい肉体の上で、自重で深く志狼の雄を咥え込む。鉄平は仰け反り、高く鳴いた。
志狼は鉄平の細い腰を掴み、下から突き上げまくった。
「ひぃ、ア!……やっあ! あああぁあ!!」
自分が上にいるにも関わらず、何ひとつ思い通りにならない体で、鉄平は鳴き続けた。
「あぁあ! もぅ、もお……だ、め……あ! だめぇえ!」
「ああ。俺もイキそうだ……!」
「うっうっ……うぁあ! あ、あ、はぁあ!」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を響かせ、いっそう激しく抜き差しをする。
「あ! あ! うぁ! やぁああっ!!」
志狼は鉄平の細い腰を強く引き寄せ、ガツン!と、最奥まで突き上げた。
「────ッッ!!」
「……くっ!」
しなやかに背を反らせ、鉄平は志狼の逞しい腹に絶頂の証を吐き出した。
志狼は鉄平の最奥に叩きつけるようにイッた。
「あ……は、あ……」
ゆらゆらと揺れて、鉄平は志狼の上に倒れた。
志狼は鉄平の華奢な体を逞しい両腕で抱きしめる。
まだ慣れない体で志狼を受け入れ、快楽に鳴く鉄平に愛しさが増す。
「……タマ」
くったりとした鉄平の汗ばんだアッシュグレイの髪に、志狼はちゅっとキスをした。
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