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第2話

一学期の中間テストも明け、程よく緊張感が抜けた頃、じめじめとした梅雨に入った。 「体育、校庭から体育館に変更だってさ」 クラス委員が教室内の生徒にそう伝えた。 途端、些細なことなのに教室内が少しざわめく。 「んなの当然だよな。ざわつく意味がわかんねぇ。な、秀哉」 「だよな」 俺が少し笑ってみせるとこいつもにこりと微笑んだ。 大体いつも俺と行動を共にする、こいつは真鍋泰士(マナベタイシ)。 物事をはっきりと口にするタイプの人間で、裏表のなさが俺は好きだが、その分敵もいたりする。 俺はこいつを泰士と呼んで、泰士は俺を秀哉と呼ぶ。 校内ではこいつが一番仲が良い相手だと俺が勝手に思っている。 恐らく親友的なポジションだ。 泰士は俺より頭一つ分背が高く、顔がきれいでちょっと整っているというだけで、あとは運動神経、学力などどこをとっても平均的な平凡男子高校生だ。 あ、いや、俺より脚は速いし頭もいいけどさ。 あぁ嘘、嘘です。やっかみました。全てにおいて俺より上、平均的な平凡より上のなかなかイケてるオトコです。 でもこいつはβ。多分。だってこいつを見ても友達としか思えない。 俺の本能が勝手に人を値踏みするようにバース性を探ってしまう。 そんな目で無意識に親友までもを見てしまう自分が時々嫌になるけれど。 「なぁ秀哉。お前乳首ちょっとふわっとしてねぇ?そんなだったっけ」 「え?乳首?……ていうか泰士どこ見てんだよ」 体操着に着替えている途中、泰士の目が俺の胸に止まった。 どこ見てんだこのやろぅ。俺が女子なら間違いなくぶっ飛ばしてるぞ。 俺は顔を顰めながら泰士がじっと見ている自分の胸に目をやった。 昨日まではまったく気にならなかったぺったんこでガリガリだった胸が、乳首のところだけまるで吸引されたみたいにぷくと気持ち盛り上がっている。 それだけでなくもともと色の薄かった乳輪と乳首の色も少し濃い桃色へと変化したようだった。 「……なにこれ」

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