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第13話

そんなことを言われても困るというのが本音で、でも、手を握って俺を心配する泰士に全然ときめかなかったかと言えば嘘になる。 だけど……。 「何言ってんだよ、そんなことにならないように気を付けるし泰士は友達だろ。友達に俺のそういうの、頼むわけねぇじゃん」 「それでも、頼って」 「だから頼らねぇって」 こんなやり取りをしたのが、つい昨日の出来事だ。 友達だろ。友達はそんなことしない。友達には頼むわけない。 どれだけ泰士とはそういう風にならないと俺自身にも念を押すようにして言ったか知れない。 それなのに、なんで俺、今、泰士とエッチしてるんだろう。 「あ、たいしっ、……やだっ、もっと、もっと……」 「えっろい、秀哉……、奥突かれながらちんこの先弄られんの好きなの?」 「ん、すき、すき……っ」 空き教室の一角で、俺と泰士は立ったままセックスに及んでいた。 俺だけシャツの前を開けピンと赤く尖った乳首を晒し、スラックスと下着は足首まで落ち、剥き出しになった尻を泰士に押し付けるように向けている。 後ろから腰を掴まれ、泰士の熱を緩んだ窄まりで受け止めて、性器の先端を撫でられているのが気持ちよくて頭がバカになりそうだった。 「ぁっ、あっ、あっ、ん、んっ」 「声すっげぇ可愛いけど、ここ学校だから、ちょっと我慢な?できる?」 「んっ……がま、ん、するっ……っ、んっ、ン……」 声を我慢したら呼吸が止まってしまいそうなくらい酸欠に陥りそうだと思ったが、声を出せない苦しさよりもエッチの快楽が奪われる方がより辛い。 「偉い偉い。秀哉、いい子だなぁ。やっぱ可愛い……」 泰士は下から抉るように俺の最奥に熱を突き立てる。 どうしてこんな尻の奥に同じ男のものを挿入されて、射精が止まらなくなる程気持ちいいのか、この時の俺にはわからなかった。 一突きされる度、俺自身の先端から白濁が零れ落ちる。 声が出せなくて目から涙が溢れた。 「あ……5時間目もうちょっとで始まるな。イっていい?足りない?」 「足りない……けど、おれも、イきたい……」 「うん。じゃ、これ終わったら薬飲んで様子みて、足りなかったらまたシよ?」 足りる、足りないで言えば、全然足りない。 けれどちょっとエッチしただけで既に膝はがくがくしている。体力不足だった。 この状態を見れば一目瞭然だけど、発情期が訪れたのだ。予防薬はあまり効果を成しておらず、まず先に俺の理性がぶっ飛んだ。

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