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第18話

泰士はすぐに俺に両手を伸ばしてくれた。そこへしがみつくように体を寄せる。 「随分お前に懐いてるんだな」 「まぁ……。親友ですから」 泰士が敬語で返事した。こっちのガタイの良いイケメンは上級生らしい。 「こんなどろどろにセックスしたんじゃ友情の域超えてるけどね」 「俺は友情なんていつ超えてもいいんだけど、これでもまだ友達なんだ。秀哉、抜くぞ」 「ん、うん、……っ、んっ、ぁッ」 泰士はすぐに俺の性器に手を伸ばして緩く扱き始めた。 さっきエッチしただけなのに、泰士は俺のいいところをもう覚えたみたいで、性器の先端をくりくりと弄りながら扱きあげる。 「あっ、や、先っぽ、や、や……っ、ぁ、も、イく」 「いいよ。出して」 「ひ、あ、あぁっ───っ!」 声を必死に殺そうとしたけど、無理だった。 「声まで可愛いな。これはラット抑制してても充てられるわ……」 「確かに。俺のハンカチも使って」 別の誰かが言った。 「シっ、足音してるから静かに」 もう一人は扉の見張り役をしている。 朦朧とする意識の中で泰士の他にやはり4人の生徒がいるのだと思った。 「たいし……ねむい……」 「いいよ。寝ていいよ。大丈夫。秀哉はちゃんと俺達で守るから」 俺達で守る?どういうことだ。 お前らαはΩを虐げ孕ませる為だけの道具として見ているんじゃないのか? 俺は泰士に腹や腿を拭かれている感覚を最後に、瞼を閉じた。 急激な眠気には勝てなかったのだ。 次に目を覚ました時、見慣れた天井が目に入り、俺は自宅の自室ベッドにいた。 「秀哉?大丈夫?無理しないで。薬も慣れないうちは辛かったりするからね」 「母さん……」 俺はゆっくり体を起こし母親から水の入ったコップを受け取ると、一息にそれを飲み干した。 相当喉が渇いていたのだとわかる。 母親は俺の身体を心配すると同時に、興奮気味に口を開いた。 「同じクラスの真鍋君から電話があって母さん車で迎えに行ったら、αの男の子が5人もいてもうびっくりしちゃった!!あの子達みんな秀哉の彼氏候補だって言うじゃない!みんなイケメンで~!!今日はしっかり目の保養させてもらったわ!」 「……彼氏候補?」 「あら、秀哉は何も言われてないの?まぁ、あの子たちやるわね!先に母親から陥落させようって魂胆かしら。何にせよ、急な発情で倒れた秀哉に薬を飲ませて連絡くれるなんて、下種なαにはできないことよ。きっとみんないい育ちの良い子達なのね!でも……」

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