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第27話
泰士は搾り取られそうだと熱にでも浮かされたように言いながら、俺の中を抉った。
泰士がイくまでに俺は3回達し、終わった頃には膝がガクガクで股には何か挟まっているような違和感を覚え、おまけに腰までギシギシと痛みを訴えた。
立ったまま腰を突き出して後ろから攻められたから身体的に無理があったのだと思う。
俺は身体を反転させてドアに背中を預けほっと一息吐いた。
どこかに寄り掛かっていないと足元が覚束無い。
「脚疲れたぁ……。つーか泰士、この遅漏~っ。泰士の一回が長すぎんだよ。パンツべたべたでもう穿けねぇし」
「ノーパン健康法」とかわけのわからないことを言って泰士が笑う。
なんだよ、ノーパン健康法って。
じじいか!
スラックスを持ち上げてベルトをしめながら泰士に恨み言をぶつぶつと溢した。
「そんじゃ秀哉はイキ過ぎだな。そんなに気持ちよかった?」
「う、うるさい」
見りゃわかんだろ、3回もイったんだから。
これで気持ちよくなければ下のどこかが故障していることだろう。
着衣を一通り整えると泰士がドアに手をついて俺に覆い被さるように見下ろしてきた。
所謂壁ドンみたいな、ドアどん?
セックスが体勢的にちょっとキツかったからか疲労がたまり、ドアどんにときめく余裕などないのだが、それでもやっぱり、ちょっとだけドキッとする。
いや、ちょっとだけ。
「なぁ秀哉」
「なに……」
「俺さぁ秀哉とは友達でいいって言ったけど、やっぱ無理みてぇ。お前見てるとムラムラしてすぐ襲いたくなる」
「なんだよそれ……。最低」
「ここだけ聞くと最低だ。けど、やっぱり俺の大切な親友で、同時に可愛くもあり守りたくもあり、それから……」
「……それから?」
俺と付き合いたいという告白だろうとすぐにわかった。
泰士に至近距離で見詰められ、熱烈に口説かれている。
この感じは心地好い。特別泰士のことが好きじゃなくても、キスくらいしてもいいかなって思う。
流される。
「ごめん。ぶっちゃけると、孕ませたい」
いい感じに流されかけていた俺の思考が、ここで止まった。
「は……?は、ら、ま……」
「もちろんそうなったら一生の責任を取るつもりで考えてる」
「……」
「そりゃあ今すぐ子供を作るとか、無理矢理どうこうしようなんて当たり前だけど思ってない。将来的な意味で、だ。だから……俺と付き合うこと考えてみて」
「……」
言葉が出なくなってしまった俺の手を引いて校舎内へ戻った。
泰士は食べ掛けの弁当を片付けると、放心状態の俺にジャージ持ってくるから待ってろと言い残し、階段を颯爽と下りて行ってしまった。
正直物凄くびっくりした。
そんなことまで泰士が考えてるとは思っていなかったから。
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