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「きっと俺は、何度でも迷うと思います。それくらいに、契さまを神様のように思っていた時間が、長かった」
「うん……」
セックスを終えて、優しい気だるさに包まれた体を寄り添わせる。契は氷高の腕に頭を乗せて、氷高の言葉に耳を寄せていた。彼の声は、やはり心地よい。
契が氷高にくっついて、鼻先をすり合わせる。氷高は幸せそうに笑って、契の髪の毛を愛おし気に撫でた。
「でも、何度でも……俺を導いてください。お願いしますね、契さま」
「……うん。任せて。氷高」
契はへへっと笑って、氷高にキスをする。
いつも、一人で抱え込んで一人で悩んでいた氷高が、こうして自分を頼ってくれることが嬉しい。もっと彼との距離が近づいたようで嬉しい。不器用で必死な氷高が、愛おしくて仕方ない。
「これからも、俺だけの執事でいて、俺だけの氷高でいろよ」
「はい。俺の、契さま」
「……よろしい!」
こんどは契が氷高の頭を撫でた。両手で、わしゃわしゃと。無邪気に楽しそうに撫でてくる契の様子に、氷高もつられて笑う。
――ああ、契さまとなら、ずっと。いつまでも―ー……
笑いながら、ほんの少し泣いた。ばれないだろうと思ったが、やはり世界一のご主人さまは、執事の涙にも気付いて。目尻に口付けを落として、「ばかだな」と笑った。
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