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2-4:秘密のレッスン
手を引かれてソファーを降り、中途半端なズボンを下着ごと脱ぐよう促された私は白雪の足の間に跪き、導かれるまま彼の熱芯に触れている。
拙く触れ、上下に扱けば先端からはトロリと透明な先走りが溢れて手を濡らす。初めて触れる他人の象徴が手の中で形を変えていくのに、妙な興奮を感じている。
「上手なのですね、先生……」
満足そうな白雪の瞳が笑う。犬を撫でるように髪を混ぜられ、顔を更に近づけるよう促してくる。
鼻先に触れる男の臭い。普通なら拒否感がありそうなのに、私は……私は……
「私のここも、腫れてきてしまいました。先生、吸い出していただけませんか?」
「それは、だが……」
咥える、ということか? 白雪のものを?
ジクリと疼いたのは腹の奥。猫羽によって暴かれた部分がジクジクしてくる。あぁ、痺れる……想像するだけで尻の奥が切なくなっている。どうしてこんな……
「お願いします、先生。苦しくてたまりません。このままでは毒に犯されて倒れてしまいそうです」
ブルーグレーの瞳が熱に濡れて私を見下ろしてくる。フルリと震える白雪の体。
私は腹を括った。こんなにも私を案じてくれた白雪を、私も助けたいと思っている。私の躊躇いなど、彼の苦しみに比べれば。
ドキドキしている。そっと唇を寄せ、舌を伸ばした。
塩っぱい? でも、あぁ……
芯を持つ昂ぶりを口腔に収めた私はそれだけで興奮している。鼻に抜ける、より強い雄の臭いも、塩っぱい味にも興奮する。腹の……尻の奥が疼く。下肢が熱くなってしまう。
「先生、気持ちいいです。もっと、吸って下さい」
「んちゅっ、ふぅ、あんぅ……んんんっ」
アイスキャンディーを舐めるように舌を這わせて上下に顔を動かし、痺れながら白雪の肉芯をしゃぶっているとそれしか見えなくなっていく。耳に流れる彼の声も心地良い。鈴を転がすような声が私に命じる。
「もっと奥まで」「唾液を絡めて」「そう、上手ですよ」
その声で命じられたら私は、従わずにはいられない。喉奥まで収めた途端、先端が突いて咽せてしまう。白雪の体液と私の唾液が混ざり合ったものを飲み込んで、彼の一部を取り込むことでより熱くなる。
「はぁ…ぁぁ……」
股間がムズムズして、揺れ動く。白雪の昂ぶりをしゃぶりながら興奮に滾る私の逸物は堂々天をむいて歓喜の露を流している。
「先生、興奮しているのですか?」
「あっ、見ない、でぇ……」
指摘されると余計に恥ずかしく、鼓動が加速するんだ。見下す瞳に羞恥を感じ、隠れてしまいたくなる。なのに体は熱くなってしまう。
私はなんて淫乱なんだ。なじられる事に興奮を覚える変態だったのか。もっとなんて、どこかで望んでしまっている。
白雪の瞳がまた、怪しく輝く。唇を舐める赤い舌に魅せられてしまう。目が離せない。
「真面目な白鳥先生が、こんなにいやらしい人だったなんて」
「これは……」
言い訳できない熱源を隠したくて股を擦り寄せるが、何の意味もない。既に隠しようなんてないじゃないか。
軽蔑の瞳が向けられる。余計に縮こまる気持ちとは裏腹に昂ぶりは痛いくらいに張りつめたままだ。
白雪の足が、私の前を強めに押し込む。その瞬間、私の口からは甘い喘ぎが溢れた。
限界まで張りつめていた昂ぶりからはトプトプと白濁が弾け、白雪の制服を汚してしまう。呆然と、それらを見ている。
「流石にこれは……先生ともあろう人が」
「あっ、あぁ……こんな、こんな……」
絶対に何かがおかしい。こんなにも吐き出したのに、私の逸物は力を失わない。体の熱が去らない。ジクジク疼いたまま、疲れているのに肉欲が収まらないんだ。
「へん、だっ……こんなはず……ない」
力の入らない体で私は身を引いた。普段一度出せばそれで熱が引くはずなのに、もう二度。それでも心臓は高鳴り、下肢は熱く、尻の奥がムズムズする。絶対に、普通じゃない。
白雪の口元に、酷薄な笑みが浮かぶ。妙に鮮烈に、そして美しく。
「これが貴方の性だと、お認めになっては如何ですか?」
「ちがう、私はこんな……」
「違いませんよ。貴方は男を相手に興奮し、二度も精を放ち、それでもまた冷めない淫乱教師なのです」
違うと頭を振っても説得力なんてどこにもない。私の下肢はまた、ゆらゆらと頭をもたげ始めている。
白雪の手が私の昂ぶりを撫でる。それだけの刺激に腰が抜けそうになってしまう。
「安心してください、白鳥先生。私は口の硬さでは定評があります。貴方の事を、私は他の先生に漏らしたりはいたしませんよ」
甘い甘い声で……でも瞳は光を宿したまま。
あぁ、この目に見られると頭の芯が痺れる。この声に囁かれると無条件に受け入れたくなってしまうんだ。
「そのかわり、私のお願い聞いてもらえますよね?」
「おね…がい?」
「私は貴方に興味があるのです、白鳥先生。貴方個人の、色々な事が知りたい。貴方の秘密や、淫乱な体の事も」
秘密……手帳……
浮かぶ人の顔を思いだし、締め付けるのは罪悪感。大事な人がいるのに私は白雪とこんなに淫らな事をしてしまっている。「私の全てを君だけに」と、月宮に誓った純情はどこにいってしまったんだ!
「貴方には、知られてはならない秘密がある。違いますか?」
「ちがっ! ひやぁぁ!」
確かな手の感触が私の昂ぶりを掴み、上下に揺れる。月宮の顔がまた霞みがかってしまい、上擦って鳴くしかなくなる。
「先生は何を隠しているのですか?」
「わた…っ! ……違う!」
「何が違うのです? 素直になってしまえば、私は貴方の望むものを差しあげますよ。溺れるような快楽を」
欲しい、快楽……
ゾクゾクと駆け上がる震えは腹の奥から発せられている。口元が緩んで淫乱な私が顔を出した。
ほしい、ほしいほしいほしいほしいほしい……
「あぁぁ!」
「さぁ、言って楽になってしまいなさい。貴方の隠したい秘密を」
「わた……私は月宮を想っているのに白雪とこんな淫らな事をして悦んでしまっているぅ……」
一度出てしまった言葉は、後から後から溢れてくるようだ。欲しいという気持ちに負け、心の中を明かすように喘ぎながら、私は罪の全てを告白した。
「月宮に出会って、まるで胸を矢で射られたような衝撃があったんだ! 目が離せなくて……っ、切なさがこみあげてぇぇ! いっ、はぁぁ! 彼への愛を毎日のように手帳に書き綴り、気付けば手帳一杯に5冊もかきあげてぇ。触れたい! 愛している! 視線を感じるだけで切なさに胸が焦がれ、触れればこの心臓が止まるのではと思う程に悶々としていっ、ぁはあぁ! 指だめぇ!」
先端の恥ずかしい穴をほじられ、ビンッと背をしならせながら私は自らの罪を告白した。月宮という最愛がありながら快楽に勝てず、欲望に勝てず白雪と淫蕩にふける罪を。
だが目の前の白雪は珍しく目をパチパチと瞬き、驚いた顔をしている。
「それ……だけ?」
「いっ、一度だけ……彼の落としたハンカチを拾った時に思わず匂いを……ちゃんと返した! あぁ、それ止めてぇぇ」
力が入らない体がガクガク震える。溶ける、蕩けてしまうぅ。
「まさか、たったそれだけ? あぁ、いえ。それはなんて罪深い……月宮は、うちの生徒会の?」
「そう、そうぅっ、はぁぁ! 弄らないでぇ」
「月宮を想っているとは、どのように? 彼は知っているのですか?」
「知らな、いっ! こんな事……はぁ、言えないぃ。教師として、あるまじき想いを生徒に向けているのに! あぁぁ、撫でるのやめてぇ! おかしくなりそぅぅ」
問われながらも昂ぶりをヌルヌルされて蕩けていく。気持ち良くて狂ってしまう。もうそれしか考えられなくなってしまう。
白雪の口の端が上がった。目は信じられないと大きく見開かれ、震えている。
「これは傑作です。いえ、好ましいとも言いますが……先生は純情でいらっしゃる」
「んあぁ!」
「そんなに想う人がありながら、私とこのような事をして。これを月宮が知ったら、きっと悲しむでしょうね。彼もまた純情です」
「い、言わないでぇ」
「そうですね……先生が私のお願いを聞いてくれたなら、浮気の事は彼に黙っていましょう」
浮気。やっぱりこれは浮気なんだ。
改めて事実が私を追い詰める。涙の浮かぶ目を白雪に向ければ、優しい笑みを浮かべている。
そうだ、彼はこれを黙っていてくれると言ったんだ。秘密に、してくれると……。
「聞く……きくからぁ」
「では、こちらへ」
ヘナヘナの体を引っ張られ、立ち上がった私を白雪は執務机の上に乗り上げるように言う。体に力が入らない私の手伝いをしてくれて、机に座った。
「仰向けに寝て、ご自分で膝を抱えて股を広げてください」
「あっ、そんな、恥ずかしぃ……」
「いいのですか? 月宮に知られてしまっても」
プルプルと首を横に振り、私は言われるがまま机の上に仰向けに寝そべり、膝裏に手を回して大きく割り開いた。
羞恥に体が熱い。あらぬところが空気に触れている。舐め回すように見られ、途端に後孔の辺りが熱くなるようだ。
「いやらしいですよ、先生。後孔が欲しそうにヒクヒクと」
「ちがぅ」
「違わないでしょ? ほら、こんなに……」
足の間に体を滑り混ませた白雪が、後孔の周りをクルリと撫でる。途端に産まれた熱は昂ぶりからではない。待っていたと言わんばかりに尻の奥が蠢く。切ない声を溢れさせながら、新しい涙が頬を伝っていった。
「可愛いですよ、先生。ここが、お好きなのですね」
「しら……わからないっ」
「教師ともあろう方が、嘘はいけません」
教師……そうだ、私は教師なのに、生徒とこんな……
「ふあぁぁ!」
教師と生徒、そんな禁断を感じた途端に更に震える。いけないと思うほどに加速してしまう。私はなんて……教師失格だ。
「正直な人には、ご褒美をさしあげます。先生、教えてください。貴方は今、どこが気持ちいいのですか? 無知な私に分かるように説明をしてください」
「いや、そんなっ」
「教師とは、生徒が教えを求める時には懇切丁寧に説明をし、知恵を授けるものではありませんか? 先生は、教師としての職務まで放棄すると?」
教師。生徒とこんな淫らな事をして、気持ち良くなってしまっている私をまだ、白雪は教師として見てくれているのか? 教えを乞うているのか?
なんていい子なのだろう。蔑むこともせず、軽蔑するでもなく、教師たれと言ってくれるだなんて。ならば私も、彼の求める答えを出さなければいけない。
「……尻の、奥が……」
「お尻? ここの奥が、どうしたのですか?」
ぬるりと、白雪の指が一本私の中へと入り込む。途端、ブルッと震えた。引きそうだった熱を思いだしてカァッと熱くなっていく。
「こんな場所が気持ちいいのですか?」
「いっ、いぃぃ! 熱く、なって……」
「お尻が揺れていますね。誘われているようです」
くくっ、と笑う白雪は指を抜き去り、制服の内ポケットから何かを取り出す。
それは薄青く丸い、少し大きな飴玉くらいの大きさでつるんとしている。指で摘まんで形が変わるから、中は液体なのかもしれない。
それがピッタリと私の後孔に押し当てられ、白雪の指で埋め込まれていく。何の抵抗もなく入り込む異物が私の中、奥深くへと埋まっていく。白雪の指も、一緒に。
「あぁぁ……」
「お上手ですよ、先生」
白雪の指は奥へ飴玉を置くと入口付近へと抜けてきてしまう。そして入口ばかりを解していく。括約筋を引き延ばされ、痛みがあるはずなのにそれもない。猫羽の指をねじ込まれた時には違和感と痛みがあったのに、今は違う。
「あっ、なに?」
「先生がもっと、素直になれるお薬ですよ」
トロリと尻の奥で何かが蕩ける。それはトロトロと深い部分を、入口付近まで溢れてしまいそうになる。熱くて、痒くて、漏らしてしまいそうでお尻を締めようとしているのに白雪の指が入り込んでいるからできない。
「し……白雪、これ、にゃん……とけりゅ……ひぇ?」
あつい、かゆい、うずうずして……でてくりゅ!
強い酒に酔ったみたいにクラクラして、力が入らなくなった。腹の底がドクドク脈を打っているみたいになって、体の中がジクジクしている。
「あぁ、らめぇ! もれちゃうぅ!」
「えぇ、漏れていますよ。ほら」
ぬちゅりと音を鳴らして、白雪の指が抜けて私の目の前に出された。テラテラと光る指にトロリと絡む液体。見せつけられ、疼く奥が更に熱くなる。
「だらしのないお尻の穴には栓が必要ですね。お漏らしは、いやでしょ?」
「いやぁ、おもらし、だめぇ」
「仕方がないですね」
ニヤリと白雪の口の端が上がる。そしてぴったりと、後孔へと熱く硬い栓があてがわれ、ズプリと私の中へと入り込んだ。
「んあぁぁぁ! ひぅ、はぁぁ!」
「っ! これは、また……」
中性的な白雪の顔に雄の笑みが浮かんでいる。一気に腰を進められ、疼いて熱い最奥を擦られる。
白雪の肉栓は欲しい所の更に奥まで届いてくれる。猫羽のとは長さが違うんだ。彼よりも長大で力強く、芯のある楔が私の中をズルズルと行き来すると、全部を擦りつけられてたまらない。ブルブル震えながら、更に膝を抱えると腹の底を突き上げてくれる。
きもちいい! あぁ、そこが痒くて疼いて熱くてたまらない!
「きもちいぃ、あぁ、そこぉ!」
「ここですね。硬くなっていますよ」
「あぁ、そこぉ! もっとこすってぇ」
「ふふ、淫らで可愛い人。もっと素直になっていいのですよ」
「つよいのほしぃのぉ!」
パチュンパチュンと音がするほど強く腰が当てられ、気持ちいい部分が抉られて突かれてドロドロになっていく。溢れ出た液体が孔を汚している。
でも、もうそんなのどうでもいい。白雪の熱いものが中を満たして抉ってくれる。それだけで十分だ。もうそれ以外いらない。これだけを感じていたい。
「凄いですよ、先生。感じていますか? 貴方の内襞が私に絡みついて、吸い付いて離れない。美味しそうに……っ、気持ち良いです」
「んぅ、きもちいい! あぁ、イッちゃうぅ!」
「えぇ、私もです。貴方がこんな名器だなんて。可愛い人、私を感じてイッてしまいなさい」
苦しいくらい膝を抱え上げられ、最奥を硬くて太い肉棒に掻き回され、突き上げられて抉られて、私は歓喜に鳴きながら吐精した。ガクガク震えながら白濁を散らせるのは気持ちがいい。
尻の奥で脈打つ白雪を感じる。白い肌を汗が滑り落ちていく。涼しい瞳に熱が宿り、濡れて見つめられると縋りたくなる。
「もしかして、誘っていらっしゃいますか? ふふっ、いやらしい人」
「ひうぅ!」
中で再び力を取りもどした白雪の逸物が突き上げる。一度は収まったはずなのに、また痒くなってしまう。もっと深く、もっとしっかり擦って欲しい。
「ふはぁ、もっとぉ! もっとほしいよぉ!」
「可愛い人。素直な先生にはご褒美が必要ですね。さぁ、もっと私のもので気持ち良くなってください。貴方の中で何度でも、私を求めてくださいね」
「はっ、はひぃ……きもちぃ、なるぅ……」
美しいブルーグレーに捕まったまま、後孔を掘られ擦られ、乳首を吸われ舐められてガクガクしながら何度でも受け入れる。訳も分からず酔いしれて、時々意識が途切れてもまだ、私は何かを欲して舌足らずな言葉で白雪を誘った。
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