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*** 「んっ、んっ……」  男に口付けられて、波折が蕩けた声を漏らす。自分の上にのしかかる男にぎゅっと抱きついて、必死に意識をつなぎとめていた。 「波折、またイキそうだな。そんなに俺に抱かれるの、イイ?」 「あ、ぅ……いい、いいです、すごく、すきです……ご主人様、すき……」  男がガツガツと波折を突いてやれば、激しくベッドが軋む。泣きながらよがる波折を見下ろし、男は恍惚とした表情で波折の頬を撫でてやる。 「そうだよ波折……おまえは誰のもとにいこうとも――一生、俺のものだから」 「はい……ご主人様……」  ぐ、と腰を強く押し込んで、なかに出してやる。そうすれば波折はたまらないといった表情をして、仰け反った。男と同時に達した波折はどしりと自分の上に倒れこむ男の背に腕をまわし、頭を彼の首元に擦りつけて甘えるような仕草をする。男は波折の頭をくしゃくしゃと撫でてやって、ついばむようなキスを何度もしてやった。 「……ご主人様……俺……死ぬまで、貴方と一緒にいます」

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