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家に帰り、シャワーを浴びると二人は裸で布団に潜り込んだ。裸で抱き合ったほうが鑓水にとっては心が落ち着くだろうと波折が服を着るのを拒んだのだった。実際に、素肌で触れ合い体温を溶け合わせると、ひどく安心した。
「波折……」
「んっ……」
ぎゅ、と強く抱きしめられた。波折も目を閉じて彼の胸に頬をすり寄せ、抱きしめ返す。
鑓水はしばらく波折の頭を撫でたり、波折の顔全体にキスをしたり……波折を可愛がるようにしていた。こうして心の平静を保っているのかもしれない。過去を話すということは、細部までその苦しい思い出を思い出すということ。鑓水にとってそれはひどく恐ろしいことだったのだろう。
「慧太……いいよ、無理しなくて」
「……いや、だっておまえが狙われているから」
「……慧太」
波折のほうからも、キスをした。強張る鑓水の心をほぐすように、柔らかいキスを何度もしてやる。
ずっと、そうやってお互いの身体を愛でていた。しばらくすると鑓水もようやく話す気になったのか、波折の瞳をじっと覗き込む。波折は鑓水の手を掴んで、指を絡めてやった。そして、淡く微笑んだ。
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