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「先輩……」 「あっ……」  沙良の手が波折の服のなかに入っていく。  ……ああ、抱かれる。波折はそう思った。この蒼に抱きしめられながら、眩しい光の中で、自分たちはセックスをするんだ。そう思った。 「あっ……ふっ……」  波折はフェンスを掴んでうつむく。後ろから、沙良が乳首をこりこりといじってくる。沙良に求められているってだけで、体中から歓びが沸き上がってくるようで、蕩けそうになる。 「波折先輩……」 「あぁっ……」 「好き……波折先輩」 「もっと言って……さら……!」 「大好き……先輩、好き、好き」 「あぁんっ……! もっと……!」  沙良が耳元で囁く。ゾクゾクっと電流のようなものがはしって波折は腰が砕けそうになった。必死にフェンスにしがみついて、ぎりぎりで立って。どくどくと沙良に愛を注ぎ込まれる。それは媚薬のようで、入ってくれば入ってくるほどに身体が蕩けてゆく。  もう離さないで、もっといっぱい抱きしめて。気付けば自分の中で大きな存在となっていた沙良に、もっともっと、愛されたい。 「ひゃあっ……」 「先輩……もっと声、きかせて」 「あんっ……あぁっ……さらぁっ……」  スラックスを下ろされて、後孔をいじられる。もう沙良は波折の好きなところを覚えたらしい。波折の感じるところを重点的に責めながら、そこをほぐしてゆく。 「ここ……先輩が大好きなところ、ですよね」 「ふぁっ……すき、そこ、すきぃッ……! こりこりしてっ……」 「こうですか? あっ、すごく締まった……先輩、気持ちよさそう」 「きもちいいっ……さらぁっ……もっとおれのからだ、おかしくしてっ……」  沙良の吐息が耳にかかる。自分の身体を沙良が覚えてくれることに、歓びを感じる。たまらない。沙良とのセックスがこんなに気持ちいいなんて。 「う、……あぁあっ……!」 「先輩っ……!」  沙良の熱が、中に入り込んでくる。ぎゅううっと自分のアソコが締まっているのを感じる。手が痛いくらいにフェンスを強く握りしめ、波折は沙良に臀部を突き出した。 「おくっ……もっと、奥……!」 「ッ……先輩のなか、キツッ……」  沙良が目を眇め、波折の腰を鷲掴みし、じりじりと腰を押し進めていく。 「はぁっ……あっ……」  そして最後まではいると、じわじわとした一体感が心を満たしていく。沙良は波折の首筋にキスを落とし、ゆっくりと腰を動かしはじめた。 「あぅっ……あっ……はぁんっ……!」  ひとつになっても、沙良は波折の好きなところを考えながら責めてくる。ペニスの先をソコにごりごりと押し付けながら、一気にズプッと突きさす。奥までいったらぐりぐりとしてくるから、腰ががくがくになって苦しい。沙良の責め方は焦らしたりはしない、ひたすらに波折に快楽を与え続ける。好きなところをガンガンと責めてきて、波折はあっというまに限界に達しそうになる。 「やぁっ……あっ……そこっ……もう、だめぇっ……」 「だって、先輩……気持ちよさそう、」 「きもちよすぎて、だめ、っ……イッちゃう……! イッちゃう……!」 「何回でもイケばいいじゃないですか……!」 「あぁああんっ……!」  ガシャガシャとフェンスがうるさい。涙で視界がゆがむ。青空がきらきらとして、綺麗。こんなにも美しいところで沙良に愛されているんだなあ、と考えるとたまなく切なくなって、波折はひたすらに甘い声をあげる。 「もうだめぇっ……! あぁっ……!」 「俺、まだイッてない……!」 「さらぁっ……やぁっ……こわれちゃうよぉっ……」 「波折先輩……がんばって……!」 「あぁあっ……! あっ……あぁっ……!」  身体が揺さぶられる。何度も何度も絶頂の強烈な感覚が身体を貫く。身体がビクンビクンとはねて、足腰がガクガクして、フェンスにしがみつく手の力と沙良の支えだけで立っていた。崩れ落ちそうになっても沙良はズンズンと奥を突きまくってくる。お尻のなかが溶けているんじゃないかな、なんて考えてしまうくらいにアソコはもうとろとろで、何がなんだかわからない。 「先輩……イキそう……」 「出してっ……なか、出してぇっ……」 「でも、先輩、これからまだ授業……」 「いいからっ……中出ししてっ……おねがいっ……さらの、なかにちょうだい……!」 「先輩……!」  沙良がガン、とフェンスに手をつく。そして、波折の顎を掴んで振り向かせた。唇を覆うようにしてキスをすると、腰の動きをどんどん加速させてゆく。  荒々しいキスに波折はそれだけでまたイッてしまった。ズブズブと突かれまくって、熱いキスをされて。沙良に支配されてしまっている感じがたまらない。 「んん……ん~~ッ!!」  なかに出された。それを感じ取った瞬間、波折は一番の絶頂に達した。沙良に腰を抱かれながら、ビクンビクンと痙攣する。  がくりと力の抜けてしまった波折を抱きかかえ、沙良は腰をおろした。ぐったりとした波折の顔にちゅっちゅっとキスを雨を降らせて、身体を労るように撫でてやる。 「さら……さらのせーえき、俺のなかにあるよ」 「うっ……あんまり、やーらしいこと言わないでください……」 「……お腹ぽかぽかする」 「波折先輩……も~っ」  ちゅーっと唇にキスをしてやると、波折が沙良の首に腕を回して甘えてくる。相変わらずの可愛さ。前まではチョコレートを食べた時しかこういった姿をみせてくれなかったのに、今は思い切りみせてくれる。ああ、欲しい。この人が欲しい。 「先輩。今まで拒絶された分一気に注いじゃいますからね」 「ん……いっぱい、いっぱいちょうだい。さら……俺のこと……抱きしめて、離さないで」 「……離さないよ、波折先輩。俺が……あなたのこと、幸せにするから」  波折をぎゅっと抱きしめる。ちゅ、ちゅ、とキスをせがんでくる波折はまるで子猫のようで、にゃーにゃーと聞こえてきそう。溺愛して、ぐちゃぐちゃに愛して、どろどろにしてあげたい。幸福感へ溺れさせてあげたい。自分に微笑む波折を見て、沙良は自分自身に、誓った。

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